森友学園事件と報道の役割

 大阪府豊中市の国有地が、森友学園に時価よりも格安の価格(9億5千6百万円 →1億3千4百万円)で払い下げられた「事件」について、この間の報道をみていると、その及び腰ぶりにはあきれてしまう域を超えて、恐ろしい。

真実の追及により問題の本質に迫るというプレスの役割はどこにいったのか。高市総務大臣による通信停止脅迫発言に代表されるような、政府によるマスコミの統制が効いていることを感じさせる。

その典型がNHKである。きのう2日になって、やっとトップニュースにした。それまでは2月13日に起こった北朝鮮金正夫氏殺害事件を17日間も、ずっとトップに流し続けていた。またか、またか、というほどに。

民報は少し早めに報道を始め、キャスターによるコメントも不十分ながらついていたが、きのうまでNHKは、報道はしてもサラリとスーパーが流れるだけで、キャスターは黙したままであった。

自民党政治家の口利きが明らかになったことで、NHKもトップにせざるをえなくなったのだろうが、今回の事件は、安倍首相および昭恵夫人が主役になっているだけに、恐る恐るといった感じがみえみえ。これを「忖度」というのだろう。

事件の問題は二つある。

1. 国民の財産である国有地が破格バーゲンに出されたこと。地中からゴミが出てきたという国からの入知恵によって。国は共同正犯である。

2. 子供に戦前の教育勅語を朗読させ、「安保法制よかったね」と言わせるような森友学園の教育の異常さ。思想教育、政治教育は教育基本法に反する。そんな学校の名誉校長に首相夫人が就任していただけでなく、これを「しつけがよい」として、首相が礼賛。さらに、学校法人認可権をもつ大阪府がスピード認可を促すサポートもしている。大阪府も共同正犯。

逃げられなくなって白状した鴻池祥肇参議院議員(兵庫県)は、ご記憶のかたもあるであろうが、一昨年、安保法案を参院で強行採決した特別委員会委員長である。

鴻池氏も森友学園の教育は自分の考えに一致していると発言をしている。「安保法制よかったね」と言ってもらうのだから、うれしくてたまらないのだろう。

これだけの異常さの背景には、森友が安倍首相が深くかかわった学校であるこという事実があることは、誰の目にも明らかである。

これをしっかりと追及し、真相究明するのが「社会の木鐸」としてのプレスの役割だ。

現状を見ると、政府と軍部の情報だけをそのまま流し続け、軍国主義の露払い役になった戦前日本の報道機関と同じに見える。空恐ろしい時代がまたやってきたような気がする。

プレスよ、しっかりしろと言いたい。
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田中全(ぜん)

Author:田中全(ぜん)
四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃんです。

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