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真念庵

このほど土佐清水市市野瀬にある四国遍路番外札所といわれる真念庵にはじめて立ち寄った。

いま四国遍路ブームであるが、これが一般の間で広く行われるようになったのは江戸中期から。その火付け役になったのが当時の高野聖の真念である。「四国遍路の父」とも言われている。

真念は自身20数回巡礼を行い、遍路道の整備に務めた。巡礼者が歩きやすいように道標の石をあちこちに置いた。

88カ所の札所の中で、37番岩本寺(窪川)、38番金剛福寺(足摺)、39番延光寺(平田)の間は、一番距離が長い難所である(37~38間は87キロ)。しかも38番から39番に向かうさいは、打ち戻しと言って、途中まで同じ道を戻ってくることになる。

そこで打ち戻しの終点であり、3つの札所を△点とすればちょうどその中心軸にあたる地点に大師堂(真念庵)を建てた。天和年間(1681~83)のことである。

場所は伊豆田坂トンネルを清水側に下りた三叉路を三原村方面に向かったすぐのところ。私の家から車で15分くらい。こんな近くにあるとは。はずかしながら、つい最近まで、私は真念庵のことを知らなかった。

遍路古道である石段を上った林の中の道沿いに古いお堂があった。これが真念庵。過去には遍路宿を兼ねており、38番から打ち戻るまで荷物も預かっていたという。いまは、カギがかかっているが、中には仏像、位牌なども残っているという。

お堂の前には、88体の地蔵がびっしり並んでいた。古色蒼然した雰囲気は、いかにも修行のための道そのものだ。多くの人で賑わう札所よりも、ずっと厳粛なものを体感することができる。すぐ近くの民家が納経所になっている。

遍路ガイドブックにも真念庵は載っているらしいが、正式の札所ではないことから、いまの遍路さんのどれだけが立ち寄っているのだろうか。俳人の黛まどかさんは今年5月ここに立ち寄っている。

ぜひ、多くの人に立ち寄ってもらいたい。
そして、古くなっているお堂が早く新しく立て直されることを願いたい。

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
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