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名護市長選挙の真実(1)

稲嶺進市長が敗れた。残念である。

結果は結果として厳粛に受け止めなければならないが、この選挙がどんな選挙戦であったのか、応援に駆け付けた一人として、この目で見た実態を書き留めておきたい。

名護市と四万十市は友好交流をしている。2010年、名護市誕生40周年記念式典には招待され、翌年災害時相互支援協定を締結、2014年友好都市サミットでは本市にお招きしている。

この時は、公式行事終了後、市民有志で「名護市と連帯・交流する集い」を開き、稲嶺市長と屋比久議長(今回選対本部長)を激励させてもらった。

そんな交流を通して、私は市民本位の市政をすすめる稲嶺さんの姿勢とその誠実な人柄にひかれたことから、今回出陣式の前日(1月27日)名護入り、選挙事務所で激励し、3泊4日、応援に動いた。

まず、最初に、辺野古新基地をめぐる全国注目の選挙であり、市民世論調査でも最大関心事は基地問題であるという結果がでていたことから、市民も熱く燃えているだろうと思っていた。

確かに、出陣式は大勢詰めかけ盛り上がったが、街頭などの一般市民の反応は静かで、意外というよりも異様さ、不気味さが感じられた。

道路交差点で幟をもち、手を振ってもドライバーの反応はわずか。地域をまわっても、稲嶺さん支持者とみられる人でも多くを語らない。

稲嶺さんは、基地を認めないことを公約の前面に出していた。しかし、新人の渡具知候補の政策には基地問題はまったくなし。

渡具知候補や応援市議の演説もたびたび耳にしたが、辺野古の「へ」の字が出たことはなかった。長々とした演説のほとんどは、稲嶺さんの悪口ばかり。

1.ゴミ分別が16区分になっていているのは面倒だ。(しかし、これは稲嶺さんの前の市長のころから続いているやり方)

2.プロ野球日ハムがキャンプをやめたのはおかしい。(老朽化した市民球場の改修のためであり、新装後は戻ってくる約束がある)

3.市の借金が増えた。(数字のごまかし。実質的にはほとんど増えていない。)

併せて、子どもの保育料や給食費を「無料」にしますなどと、財源根拠もなく、耳障りのいい、ことを連呼していた。

基地問題の争点かくし(はずし)は徹底していた。

市民の最大関心事に対して自分の意見・考えを言わないことほど、不誠実なことはない。堂々として政策論争を行うのが選挙本来の姿なのに。

市民各層が呼びかけ公開討論会には、「忙しい」という理由で逃げ続けた。プレスインタビューも拒否。ボロを出したくない。まともな論戦ができないからだ。

本音(基地推進)を隠し、どんな方法でも、勝ちさえすればいいという作戦は徹底していた。政策なんかどうでもいい。公設掲示板のポスターは、顔と名前だけで、メッセージはなし。のっぺらぼうだ。

稲嶺陣営は法廷ビラのほかにも細かい政策を書いたビラを何種類もつくっていた。しかし、相手はペラペラの中傷ビラだけ。「小泉進次郎来る」だけは大きく作り全戸に入れていた。

選挙前から地元2紙の情勢予想は稲嶺有利であった。告示直後でも、大接戦だが稲嶺先行と出ていた。無党派層でも稲嶺支持が多いと。

まともな戦いでは勝てないとみた渡具知陣営は、どんな手を使ってでもいいから、票を奪い取る作戦にでたのだ。

稲嶺さんの本当の相手はバックにいる安倍政権。菅官房長官、二階堂幹事長が事前に何度も入り、各種経済団体などを徹底的に根回し。利権につながる、たっぷり甘い飴をふんだんにばらまいたことだろう。

名護を崩し、秋の知事選挙にも勝たない限り、辺野古に新基地はつくれない。追いこまれた政府がなりふりかまわず、名護市民の票を奪い取りに来たのだ。

前回自主投票だった公明党、維新を抱き込み、特に創価学会をフル回転させたことも大きかった。おそらく、これほど政府まるがかえで介入した地方選挙は過去にないであろう。

それは、期日前投票に有権者の44・4%が行ったことでわかる。最終投票率が76.9%だから、投票者のなんと半数以上の57%が先に投票を済ませたことになる。

当日投票の出口調査では稲嶺有利という数字がでていたことから、期日前投票では相手票がかなり多くを占めていたということになる。会社、団体ぐるみで、根こそぎ動員をかけたのだ。マイクロバスなどを手配して。どの名前を書くかは自由でも車に乗せてもらうと、なかなかそうはいかないものだ。

これは選挙干渉にあたり、公職選挙法違反であるが、そんなことおかまいなし。勝ちさえすればいい。それだけ、政府が無茶苦茶な選挙にしたということだ。裏では、相当なカネも動いたことだろう。

私が名護を離れた翌日、投票3日前、自民党小泉進次郎が入り、あの巧妙なアジテートで市民をさらに混乱、惑わせた。進次郎は最終日にも来た。最後の3日間で、流れが大きく変わった。

では、稲嶺陣営の作戦、体制はどうだったのか。
負けてからではもはや遅いが、反省点はいくつもあるように思う。

1. 相手候補を軽く見ていたこと。相手の元市会議員はいち早く手を上げたが、自民党県本部はギリギリまで公認を渋った。しかし、他にすべて断られたことからやむなく公認したぐらい、評判が良くなかったようだ。そんなことから、あんなヤツに負けるはずがないという楽観意識を最後までぬぐいきれなかった。

本当の敵は相手個人ではなく、バックの安倍政権だったのに。権力をもつ者が局地戦で総がかりで攻めてきた時の怖さを実感できていなかった。

2. 告示直前の南城市長選挙で「オール沖縄」候補が現職に競り勝った。当選した瑞慶覧長敏さんが何度も応援に来て威勢のいい発言をしていたが、これが楽観論に輪をかけた。全国から私のような応援団もたくさん来ていていたが、全体としてピリピリした緊張感のようなものは伝わってこなかった。逆に相手陣営は、危機感をもち、必死になった。

翁長知事はこの雰囲気に気づいていたようで、出陣式で「こんなに威勢よく集まっても、1票1票積み上げないと勝てない」と警告していた。

3. 辺野古が最大争点ではあるが、辺野古がすべてでない。私も辺野古に行ってきた。名護市は広い。辺野古は東海岸(太平洋)にあるが、市の中心市街地は西海岸(東シナ海)にある。だから、普天間などと違い、多くの市民にとっては、われわれが思うほどに基地を身近な問題として感じていなかった。

このことは稲嶺陣営でもわかっており、他の多くの政策チラシもつくっていた。しかし、目玉になる、市民に響くものがなかった。観光用にパンダを誘致するということもPRしていたが、これは逆に相手側から「パンダより給食費、保育料を」と斬り返しにあっていた。


こんご辺野古はどうなるのか。大いに心配である。
しかし、新市長は、辺野古問題は公約に掲げていなかった。国と県の裁判の推移を見守るとだけ。だから、市民は白紙委任をした訳ではない。

市民の過半数は辺野古反対であることは、はっきりしている。給食費、保育料無料に惑わされたお母さんも多いだろう。

ジュゴン国際裁判なども続いている。
まだまだ、諦めてはいけない。
われわれは沖縄へのまなざしを閉ざしてはけない。
それは、沖縄を見捨てることにつながるのだから。

(続く)

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
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