コールセンター DIO 倒産の怪(2)

3.DIO 四万十市への進出経過

(1)基本協定書締結

高知県(商工労働部企業立地課)が県外企業への誘致活動を行なう中で、DIOへ「高知県へもぜひ」とアプローチしたのがはじまり。これが昨年9月ごろ。

これを受けて県が県内候補地を案内した結果、四万十市と四万十町の休校になった小学校跡地に進出するという方向で合意。(四万十市=田野川小学校)。その後、各50人雇用等の細かい条件が確定したところで、今年1月27日、県、市町、DIOの3者で「基本協定書」を交わした。
高知新聞が大きくとりあげた。
記事では「DIO社が出資する新会社が運営する」と書かれている。
四万十市も同日付、市ホームページでアップした。

 DSC_3323.jpg
 高知新聞2014.1.28
 <四万十市ホームページ >http://www.city.shimanto.lg.jp/city-office/info/c-board.cgi?cmd=one;no=1811;id=

(2)起業支援型地域雇用創造事業

「協定書」締結に至る条件交渉の中で、同社は東北等への進出の例を示し、1年間、実質100%の有利な補助制度の適用を要求。県は、平成25年度実施中の「起業支援型地域雇用創造事業」(高知県緊急雇用創出臨時特例基金事業費補助金を活用)の適用を、市と町に勧めた。

「起業支援型地域雇用創造事業」は、「継続的な雇用創出を図るために新たな失業者を雇い入れて行なわれる事業」であり、「起業後10年以内」「本社が市内に所在」などの条件が付いていた。四万十市では、すでにこの事業の募集を平成25年4月、7月の2度行なっていた。さらに、3度目の募集を11月に行なうことになっていたことから、県・市の勧めでDIOは、これに応募した。

(2)補助金審査・決定

四万十市の募集は都度、市ホームページで告知。
第3回目も、10月29日付けホームページで公開されている。
 < 四万十市ホームページ>http://www.city.shimanto.lg.jp/city-office/info/c-board.cgi?cmd=one;no=1779;id=

この「募集要項」は私が市長在職中(~平成25年5月14日)に定めたものである。
応募にあたっては、「審査委員会を通して審査・選定のうえ、さらに県の事業採択を受けてから、市の委託事業として提案者と契約し実施します」と明記している。

第3回目の募集審査は11月20日に行なわれた(場所・市役所)。
複数の応募団体の一つとして、DIOもプロポーザル(計画の説明)を行なった。

審査委員(4名)からは、以下のような意見が出た。

・事業規模・金額が大きい案件なのに、計画がラフで具体性に欠ける。
・コールセンターではこれまで全国でいろんな問題が起こっている。
・「起業支援型」の募集の趣旨に合わないのではないか。

この結果、同日の審査会ではパス(合格)しなかった。他の案件は、審査委員が採点し、一定水準をクリア―した案件がパスした。しかし、DIO案件は、「大型案件」ということもあり、採点はせず、審査判断を「留保」し、「差し戻し」というような形となった。

市はこれを受けて県と対応を協議。市独自の「政策判断」として、審査会を経ずに、県にあげ、県が2月6日付(協定書締結10日後)、事業採択(補助金交付決定)した。

(4)E.A.高知コンタクトセンター

DIOによる現地子会社の設立手続きは遅れ、事業スタート日と同じ3月3日付けで、やっと会社設立登記が終わった。

子会社は「E.A.高知コンタクトセンター株式会社」、代表取締役吉村英毅、資本金1百万円。株主構成はその時はじめて、エボラブルアジア株式会社90%、DIO10%、と説明された。


(5)エボラブルアジア

 一般的に、株式の支配権(50%以上)をもつ会社を親会社という。つまり、「E.A.高知コンタクトセンター」は、DIOではなく、エボラブルアジアの子会社である。EAとはエボラブルアジアの略であることは明らか。

エボラブルアジアとはどんな会社か。
設立2007年、本社東京、社長吉村英毅、資本金2億15百万円、業種はインターネット旅行業(旅行商品をインターネット販売)。吉村氏は32歳。東大在学中に学生仲間と会社を立ち上げた。当時はやりの学生ベンチャー企業。その後、アジアへも進出し、いまベトナムを拠点にソフト開発も手掛けているという異色の会社。

 <エボラブルアジア ホームページ>http://www.evolableasia.com/

E.A高知コンタクトセンターは地元から50名を雇用。
3月以降、「コールセンターオペレーター養成事業」の研修等に取り組んでいる。

同社は、8月、DIOが倒産する前に、DIOがもつ株式10%も買い取り、現在、エボラブルアジアの100%子会社になっている。

このようにして、「DIOの子会社」という話が「エボラブルの子会社」にすりかわったのである。

<3月3日入社式>http://www.youtube.com/watch?v=l6Nst9VvFIk

(続く)

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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