県政シンポジウム

 県政シンポジウムが、11月15日、高知県立大学で開かれ、参加した。
主催は高知県革新懇、革新県民連合。いま2期目の尾崎県政は来年12月が改選。次期選挙をにらんで、現在の県政の課題を明らかにし、その取組み状況を評価しようというもの。

パネラー
産業振興  福田善乙 高知短大名誉教授
医療福祉  近森正幸 医療法人近森会理事長
教育    加藤誠之 高知大教育学部准教授
コーディネーター(司会)  田口朝光 高知県労連委員長

 DSCN1493.jpg     DSCN1497.jpg

最初に、パネラーがそれぞれ自分の専門分野について発言。そのあと、会場参加者も含めて意見交換した。

産業振興と医療福祉分野については、県政課題は、過疎、高齢化、人口減少等の問題に収斂されていることは、誰の目にも明らかであり、いま取り組んでいる移住促進策等に対して、大きな異論もなく、また目新たらしい提案等もなく、もの足りない内容であった。

県の産業振興計画については、福田氏が策定にかかわっていることもあり、現状の課題等については詳しい説明があったが、県の取り組みを客観的にどう評価するかの、よくやっているのか、不十分なのか、切り込みがなかった。

これに対して、教育分野については、加藤氏から、県の教育行政への厳しい批判があった。私自身、教育問題については、これまで勉強不足であったこともあり、得るものが多かった。

1. エリート主義が蔓延。これは尾崎知事の考えが強く反映している。エリートを育て引き上げることに熱心で、底辺に目がいかず、全体を底上げするという視点がない。

学力テスト結果は、全国比、小学、高校(大学センター試験)はいずれも平均的だが、中学だけが極端に悪い。この要因の一つは、高知県は私学上位である中で有力私学がテストに参加していないから。問題なのは、全体として、上位グループと下位グループに二極化し、中抜き状態になっていること。つまり、下位が切り捨てられている。

また、高知短大は廃止になってしまったが、これまで大きな役割を果たしてきた。高校不登校の受け皿、高知大への編入学、社会人教育、等々。廃止の声はどこからも上がっていないのに、県が強引に廃止。その代償に、県立大に社会科学系大学院を新設するというのも、現場感覚からずれた、エリート主義のあらわれ。

2. 文部科学省行政に忠実に追随。
尾崎知事は国の教育再生実行会議委員であるためであろう。

道徳教育に熱心。現役教員を高知大大学院が受け容れているが、毎年、道徳教育の分野ばかりであり、偏っている。

文科省が最近進めている「バカロニア構想」(国際共通教育プログラム)をいち早く導入しようとしており、混乱している。これもエリート養成が目的。


 シンポジウム全体を通して、尾崎知事は、財務省出身だけあって、国からカネをとってくるのは得意であるが、その使い方がヘタという発言が多かった。つまり、国に対しては、常に目配り、気配り、発言等をしているけれども、県内の実情には目がいき届いていない。要は「上を見て、下を見ない」ということ。エリート主義は、教育分野だけでなく、県政全般に共通することだ。

 会場からも、たくさんの発言があった。私からも、市長を経験した立場から、地方自治のあり方について、以下の発言を行なった。

地方自治の基礎単位は市町村であり、基礎自治体といわれる。県民は県民である前に、市町村民であり、市町村が最も身近な存在。県民の幸せのためには、まず市町村が強くならなければならない。しかし、県と市町村の力関係でいえば、尾崎県政になってから、相対的に県の力が強くなり、市町村の自立性が失われてきている。高知県の愛媛県化(県の力が強い)が進んでいる。

産業振興計画や健康長寿県構想など、いまの県政が取り組んでいる内容そのものには大きな問題はないが、その進め方がトップダウン的。市町村と一体となってやるというよりも、県が強引に主導するやり方。市町村が独自なことをやろうとすると圧力をかけてくる。また、本来、県と市町村の役割分担があるに、県が何でもやろうとする。(例、集落活動センター)

・・・・

シンポジウムの参加者は約70人と少なかったが、県政のあり方について、県民、市民が参加した、こうした意見交換の場はこれまでなかったことから、開催の意義大きかったと思う。

意外だったのは、地元高知新聞の取材がなかったこと。
このような場の報道をすることこそ、地方紙の使命だと思うのに残念である。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR