勝利者は沖縄

今回の総選挙の勝利者は沖縄である。
日本政府(自民党)を相手に、4つの小選挙区で完勝した。

沖縄では、辺野古への米軍新基地建設の是非を最大の争点にした先の知事選挙で基地建設反対を掲げる翁長候補が現職知事に10万票の大差をつけて勝った。政治的イデオロギーの違いを超えて、新基地建設反対のただの1点だけで統一した「オール沖縄」の底力をみせつけた。

総選挙も同じ方式がとられた。4つの選挙区で自民党にぶつける候補者を一人に絞った。それぞれの所属政党は違ったが(1区:共産党、2区:社民党、3区:生活の党、4区:無所属)、新基地反対の1点だけで共闘した。そして勝利した。全国47都道府県の中で、自民党が小選挙区で1議席もとれなかったのは沖縄だけである。(自民党4候補は比例区で復活)

 総選挙全体では自民党が圧勝したと報じられているが、はたしてそうだろうか。確かに獲得議席数ではそうであるが、中身をみればそうではない。政党の支持状況がはっきり示される比例代表選挙における自民党の得票率は33.11%である。比例議席はこのとおり配分される。しかし、小選挙区は1人しか当選しないため、自民党の獲得議席率は75.59%になり、両方あわせると、61.26%になる。つまり、死票が多くなる(民意が反映されない)小選挙区制という選挙システムによるものだ。

さらに、今回は投票率が52.65%(比例)まで下がったため、全有権者に占める自民党の絶対得票率は16.99%(比例)にすぎない。

また、今回の選挙の特徴は、自民党が公約を積極的に語らず、争点をぼかしたことにある。なぜこの時期に解散かわからせないまま強引に選挙をしかけ、最初は消費税引き上げ延期を、途中からアベノミクスを全面にだしてきた。ほかの重要な争点であるべき集団的自衛権や原発再稼働問題については黙して語らずであった。これらについては、各種世論調査で反対が過半を占めているからだ。

選挙とは本来、各政党の政策を公約に掲げ、堂々と語り、争点を明確にして戦うのが常道である。しかし、安倍首相は、今回は、とにかく票だけをとればいいという作戦であった。それが当たった。ゲームに勝ったといったほうが正しいだろう。

しかし、これでは本当の勝利とはいえないだろう。政策を積極的に訴え、その是非を問う。それで勝てば誰もが納得できる。

今回、自民党は達成感なき勝利といわれるのはこのためである。それでいて、選挙が終わったとたん、安倍首相は、集団的自衛権に信任をもらったと堂々と言っている。厚顔というか、これが政治家というものだろうか。有権者は自民党に勝たせはしたが、全権委任したわけではない。民意とのギャップはますますひろがっていく。


一方、沖縄では争点が明確だった。
自民党現職は、最初は米軍新基地建設反対を公約にしていたのに、途中で官邸の圧力に屈し、県民を裏切った。前・仲井真知事も同じ。

安倍首相は激戦区応援のために全国を飛び回ったのに、最激戦の沖縄には来なかった。辺野古を堂々と語れないから、行けなかったのだ。

11月29日、四万十市に名護市稲嶺市長と屋比久議長を迎え、「連帯・交流の集い」を開いたさい、2人は、総選挙で自民党は誰も当選しないだろうとはっきりと言っていた。私は知事選勝利の直後とはいえ、連続しての勝利はそう簡単ではないだろうと思っていたが、本当にそうなったので、正直驚いた。

これまでとはステージが変わったのだ。
これだけ完璧に県民の意思が示されたのだから、政府もあきらめるしかないだろう。
そうでないと、自民党を崩壊させる「蟻の一穴」になるだろう。

オール沖縄は本物だ。
今回の総選挙の真の勝利者は沖縄である。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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