ブックレット「フクシマ そして クボカワ」

 私もメンバーの「脱原発をめざす高知県首長会議」では、このほど、ブックレット「フクシマ そして クボカワ」を出版しました。(高知新聞総合印刷)

 内容は、昨年9月、四万十市と高知市で開いた「脱原発講演会&対談」の記録をまとめたものです。講演と対談は、村上達也さん(前・茨城県東海村長)と島岡幹夫さん(元・窪川町原発反対町民会議代表)がおこないました。

講演1 村上達也 「原発事故からみえた この国のかたち」
  同2 島岡幹夫 「なぜ原発を止めることができたのか」

 司会は私がつとめました。昨年9月10日付、本ブログでも書いています。
 この本(全82ページ)は、高知県内主要書店のほか、アマゾンなどでインターネット販売(定価・税込540円)もしていますので、ぜひお読みください。 

     DSC_4519.jpg

  ご参考までに、「はしがき」は、以下の通りです。

       ふるさとを守る ~ 四万十川は伊方原発から30㌔圏 ~

                              脱原発をめざす高知県首長会議
                                田 中 全(前・四万十市長) 

 安倍政権がまたぞろ不可解な言葉を使いだした。「地方創生」・・・「地方を創りだす」とは地方をバカにした話である。いまさら創ってもらわなくとも、地方はすでに存在している。
アベノミクスは強い者をより強く、弱い者を切り捨てていく経済原理至上主義。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)はセットの仕掛けである。地方見殺しの張本人がよくぞ言えたものと思う。
 いま大切なことは、「地方=ふるさと」を守ること、「ふるさとの価値」に気付くことである。
 わがふるさとのシンボルは四万十川。この川は時には洪水や氾濫で牙をむくけれども、流域のわれわれはその気性や性格のすべてを受け容れ、一体となった暮らしを営んできた。豊饒の恵みを受けてきた。
 四万十川の愛媛県側の支流、広見川の源流域は伊方原発から30キロ圏内。いったん原発事故が起これば、四万十川は放射能を運ぶ川、死の川にされてしまう。さらに、流域は核廃棄物処分場候補地として常に狙われている。
 3・11フクシマを受けて、高知県側の流域5市町の首長は、ふるさと四万十川を守るため、原発に頼らない自然エネルギーへの転換をめざす「四万十川アピール」を発した。原発依存からの脱却、原発をなくしていく取り組みは、ふるさとを守る闘いである。
 高知県では、1980年代、窪川原発立地を阻止した貴重な経験をもっている。窪川の人たちは草の根の反原発組織として地域単位の「郷土(ふるさと)をよくする会」〈略・ふるさと会〉を町のすみずみにつくっていった。
反原発運動のリーダー島岡幹夫さんの言葉が胸に残っている。
「窪川町は、農畜産80億円、林業30億円、縫製工場などの加工産業を合わせると150億円近い収入がある、四国有数の食糧生産地。たかだか20億円や30億円の税収に目がくらみ、耐用年数30年程度の原発のために、2000年続いてきた農業を犠牲にするのは、愚の骨頂」
 もし、窪川に原発ができていればと思うとぞっとする。立地予定地は南海トラフ巨大地震で最大想定31㍍の高さの津波が直撃する海岸。「よくぞ原発を止めてくれた」と、高知県民全員が胸をなで下ろしている。
 窪川町は2006年、町村合併で四万十町になった。しかし、血みどろの反原発闘争を展開した窪川の出来事は決して過去の出来事ではない。窪川を忘れてはいけない。いまこそ窪川の歴史に学ぶことが大切と考える。
3・11後、福島がフクシマになったように、窪川はクボカワとして反原発闘争のシンボルになり、全国の闘いを励まし、リードしなければならない。
国の原子力規制委員会は、2014年7月16日、九州電力川内原子力発電所について、安全基準に「合格」を与え、これを受けて11月、地元の薩摩川内市長と鹿児島県知事が再稼働に同意した。愛媛県伊方原発の再稼働についても、次の日程に上がってくるのは時間の問題だろう。
 「脱原発をめざす首長会議」は、2012年4月、茨城県東海村の村上達也村長(当時)らの呼び掛けにより、原発のない社会をめざし、すみやかに再生可能エネルギーを地域政策として実現していくために結成された。もとより、首長の責務の第一は「住民の生命・財産を守る」ことにある。基礎自治体は防災の拠点、最前線の砦である。
 この呼び掛けに応じた全国の首長(現職、元職)は、2014年11月現在100人。うち高知県は9人である。
 「脱原発をめざす首長会議」では、9月6日(四万十市)、7日(高知市)、村上達也氏(脱原発をめざす首長会議世話人)と島岡幹夫氏(元窪川町会議員)に講演と対談をお願いした。
東海村は「原子力の村」「原発発祥の地」である。そこの村長だった村上氏(2013年9月から元職)は、いま脱原発を訴える先頭に立っている。島岡氏も窪川原発闘争の一応の終焉の後も、国内、さらにアジア各国で反原発を唱え続けている。
両日とも会場は満員となり(四万十市320人、高知市250人)、参加者は二人の話に脱原発への大きな勇気と確信をもらった。会場からの貴重な発言もあった。原発廃止をめざす、われわれの取り組みは間違っていないことを、だれもがあらためて確認した。
 「脱原発をめざす首長会議」主催の「 講演会&対談 in四万十・高知―フクシマそしてクボカワ」開催にあたっては、「原発をなくす高知県民連絡会議」および「脱原発四万十行動」の皆さんに、共催というかたちでご協力をいただいた。
本書は、村上さん、島岡さんの講演と対談、会場発言を再録したものである。高知県内だけでなく、全国の多くの皆さんに読んでいただくことを願っている。
「脱原発をめざす高知県首長会議」は、全国組織である「脱原発をめざす首長会議」に参加している高知県会員有志で構成するグループであり、脱原発への取り組みを高知県内で広げるとともに、全国に発信することを目的にしている。
これまでの歩みを絶やさず、さらに力強いものとすることを誓いたい。

 2014年11月
                    
                    

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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