名鹿

 「名鹿」 と書いて 「なしし」 と読みます。

私は実家に戻って来てから、いろんなランニングコースをさがしている。きょうは、家から四万十川河口に向かって走り、海岸沿いに、名鹿、立石、布、下ノ加江から伊豆田トンネルを抜けて、ぐるっと一周して来た。はじめてのコースで32キロ。

名鹿には四万十川河口から続く砂浜がある。名鹿の浜という。私の八束小中学校時代は、遠足といえば、この名鹿の浜に決まっていた。学校から歩くと、2時間ぐらいだっただろうか。当時は、いまのような車が通れる道路がなかったため、河口の初崎からは、人とせいぜい自転車が通れるぐらいの狭い山道を越えた。山を越えると、ザーザーという波の音が聞こえてきた。海のにおいがすると、みんな走った。今ではすぐ近い海なのだが、当時は遠かった。

 名鹿には小学校の分校があった。4年生までは分校に通い、5年生から本校に来ていた。私らの学年では分校の子は5人だった。分校の子は、冬場には、朝暗いうちに家を出ていた。だから、みんな足腰が強く、運動会でも早かった。

その後、初崎にトンネルができ、海岸沿いに車が通れる道ができた。分校もなくなった。いまでは、スイスイだ。名鹿の浜は、隠れ里のように、あまりよその人が知らない浜であったが、だんだんと来る人が多くなり、最近ではサーファーに人気が高い。おしゃれなペンションもできている。移住者も多く、人口も増えている。専業農家が多く、温州ミカンとポンカンがつくられている。「名鹿みかん」のブランドで。最もへき地だった名鹿が、いま一番豊かで元気がある。

3年前、フジテレビのドラマ「遅咲きのヒマワリ」のロケにも使われたことから、知る人ぞ知るスポットになった。同じ年から、漁港広場で「名鹿まつり」も始まった。イセエビとカツオの新子が人気を呼んでいる。四万十市では、川のエビと海のエビの両方が食べられるのが売りである。

 
名鹿をもっと多くの人に知ってほしいと思う反面、地元の者だけの隠れ里として、そっとしておきたいとも思う。
昔のことを思い出し、そんなことを考えながら走った。

DSCN1215.jpg     DSCN1211.jpg

  写真は9月


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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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