大学生の就職活動

 3月は卒業シーズン。1日には、地元の中村高校、幡多農高などで卒業式がおこなわれた。さらに、あちこちで卒業式が続く。

あわせて、1日からは、大学生の就職活動(会社主催就職説明会開催)が始まったようだ。昨年までは、大学3年の12月解禁だったものが、経済界の「申し合わせ」で、今年は3か月遅れてスタート。これに続く面接などの選考活動の解禁も、4月→8月に変更された。しかし、報道によると、この「申し合わせ」は形式的なものであり、実態は先行して学生と接触をする企業も多く、学生は不安をかかえているという。

思えば、私が大学生のころ(1972~76)は、「就職協定」という、企業間で強制力をもったルールがあり、私の就職活動が解禁されたのは大学4年の9月であった。

この「就職協定」は1996年に廃止され、フリーとなった。しかし、バブル崩壊後の就職氷河期の中で、学生側のあせりや企業側の思惑もあり、就職活動が無秩序に早くなったので、最近また、ゆるやかな「申し合わせ」が復活しているようだ。

私の経験から言えば、就職活動の開始は大学4年生からで十分であり、遅いほどいいと思う。なぜなら、大学生の本文は学業であるからだ。4年間は、しっかり勉強をしてほしい。

 大学で学ぶとはどういうことか。
フ―テンの寅さんこと、車寅次郎はすごいことを言っている。なぜ、大学に行かなければならないのか悩む甥の満男から相談を受けて、

「人間長いこと生きていりゃいろんなことにぶつかるだろう。な、そんな時、オレみたいに勉強をしていない奴は、この振ったサイコロの目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがないんだ。な、ところが勉強した奴は、自分の頭でキチンと筋道をたてて、はてこういう時はどうすればいいのか考えることができるんだ。だから、みんな大学に行くんじゃないか。そうだろう。」
(映画 「男はつらいよー寅次郎サラダ記念日」 1988年)

私はこれまで何度か採用する側の立場で大学生の就職面接をしてきた経験がある。就職氷河期と言われて以降、比較的最近のことである。そこで驚いたのは、学生生活で自分をアピールできることは何ですか?と質問をすると、自分はいろんなアルバイトを通して社会勉強をしてきたと、自慢げに答える学生が結構いたことである。私は、こんな学問分野でこんな勉強をしてきたという答えを期待していたのだが。

家庭の事情から、アルバイトをすること自体はやむを得ないことだろうし、そこでいろんな経験をすることは悪いことではないだろう。しかし、おカネを稼ぐ経験は、大学を卒業し、就職をしてからいくらでもできる。学生時代は、その時でしかできない勉強する絶好の機会である。アルバイトは副次的なものであるはずである。

 最近の大学は就職をするための専門学校化しているように思えてならない。就職が最大目的で、そのためのテクニックを学ぶ。

寅次郎が言っているのは、どんな仕事をしたいか、どこに就職をしたいかということも、もちろん含まれるが、仕事や就職は生活(生存)手段にすぎないとも言える訳であるから、もっと大きな社会とのかかわりの中で、自分の「生き方」をどう見つけていくかが大事だということである。

こんなえらそうなことを書くと、ではお前はどうだったのかと言われそうで、恥ずかしい限りだ。

また、就職活動は、その時の経済情勢に大きく左右され、学生たちにとっては、それに振り回されるのだから、そんな甘いものでなないと言われそうだ。

しかし、就職のために必死で走りまわっている最近の大学生の「風景」をテレビなどで見ると、自分の反省を込めて、人生の少しだけ先輩として、こんなことを書きたくなる。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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