藤川球児

 ふるさとは人間の原点。藤川球児の今回の決断と行動は、それを証明している。

阪神タイガースから大リーグに挑戦して3年、故障もあってアメリカでは不本意な結果しか残せなかった。これまでの輝かしい野球人生からすれば、はじめての挫折を味わった。

しかし、まだ34歳、日本でやり直す自信はある。ならば、どこでリバイバルをめざすのか。私はトラキチ。藤川人気はいまも絶大。当然、タイガースに戻ってくると思っていた。タイガースもオファーを出していたときく。

だが、彼が選んだのは、ふるさと高知。地元球団(四国アイランドリーグ)高知ファイティングドックスであった。

記者会見で、なぜ高知なのかと聞かれ、「自分も妻も高知生まれだから」と、当然のように答えた。彼の気持ちは、この言葉に尽きていると思う。高知側からのアプローチはなかったのに、彼が自分で決断し、自ら申し入れたのだ。

契約金、報酬はゼロ。登板試合の入場料収入の1割を、県内の福祉施設に寄付をするということだけを入団条件としたことは、かっこよすぎるが、まあいいだろう。

 人間いたるところ青山あり・・・という言葉がある。青山とは墓場、死に場所、のこと。人間が活躍する場はどこにでもある。ふるさとにこだわらず、もっと大きな志をもたなければならない、という意味であるが、私はそうは思わない。

人間は生まれ育った風土や環境、つまり、ふるさとによって、人格、性格、人となり等の大きな枠組のようなものがつくられる。本人の意思等に関係がない、運命的なものである。ふるさとを自分で選ぶことはできないのだから。沖縄や、高知生まれの人間と、東北、北海道生まれの人間の平均像はかなり違うであろう。

人間は、いろんな事情で、ふるさとを離れなくてはならない場合もある。しかし、それでも、いつもふるさとのことを思い、ふるさとを大切にする気持ちをもたなければならない。そうでなければ、与えられた運命に逆らうことになり、人間とはいえない。私はそう思う。

彼は高知球団には、半年もいないだろう。夏場だけかも、と言われている。再び、大きな舞台に飛び立つであろう。

しかし、それでいいではないか。彼のこころの中心に、ふるさとが厳然として座っているということがわかっただけで、私はうれしい。

「自分の人生の中で大切なものを大事にして突き進む」
「新しい人生のスタートとしては、最高の決断ができた」

自らの決断に対して、一番喜んでいるのは本人である。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

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