土佐清水

 最近、土佐清水へ出かけることが続いている。夏季大学、花火、映画会など。私の家は清水に向かう国道沿いにあるので、車で30分ほどで近い。

土佐清水市は四万十市以上に過疎化、高齢化が進んでおり、いま人口は1万4800人。主要産業は漁業・水産加工と足摺観光であるが、ともに不振が続いている。最近、学校の再編で、ついに市内中学校が一つになった。

「どん詰まり」のような状況は、わが四万十市をはじめどこも同じで「もがいている」ところだが、そんな中で私が注目したいのは、土佐清水市が文化行政に力を入れていること。

清水には「黒潮ホール」という立派な市民文化会館がある。この文化会館が独自の文化事業を積極的に行っている。最近目立つのが映画の上映会。きのうは高知を舞台にロケおこなった、安藤桃子監督「0.5ミリ」を上映。監督と泥谷市長のトークもあった。

今週からは、4日連続で、「昭和シネマ劇場」と称して、市川雷蔵、中村錦之助の時代劇作品上映がある。昨年は、昭和30年代の喜劇シリーズをやっていた。

かつて映画は日本文化の中心であったが、いま清水に映画館はない。中村にもない。高知市以西にはどこにもない。ならば、行政が映画館を復活しようというものであろう。

今年の夏季大学では、7月27日、女優の倍賞千恵子を呼んでいた。倍賞は昭和37年、デビュー直後、ここ清水を舞台にした映画「雲がちぎれる時」に出演。「昔話」に花を咲かせていた。文化会館がほぼ満席になっていた。

市の文化事業に市民がどれだけ足を運ぶかは、文化行政の浸透度=文化水準のバロメーターである。土佐清水市民文化会館の客席数は864だそうだが、いつ行っても結構席が埋まっている。

四万十市でも、ずっと夏場に市民大学を行っている。もともとは市立文化センター(744席)を使っていたが、参加数の減少もあり、だいぶ以前から公民館ホールに場所を変えている。最近の講座では、200人(移動イス席)来ればいいほうである。

3年前、「いちじょこさん150年事業」の一環として、「映像の幡多」と称して、幡多を舞台にした過去の映画作品4本(祭りの準備、足摺岬、孤島の太陽、四万十川)を文化センターで上映したことがあるが、その時も期待したほどの入りではなかった。

四万十市の人口はいま3万5千人であり、清水の2.4倍。京都から下ってきた一條家が御所を構えて以降、中村は名実ともに幡多の中心であることは、だれもが認めるところであろう。中村市は四万十市になってしまったが、それでも「一條文化」の伝統を受け継いでいるものと、私は自負をしている。

しかし、今月はじめ、そんな伝統の中から生まれたであろう、地元出身漫画家4人による「しまんと漫博」が行われたが、肝心の入場者は私の予想よりはるかに少なかった。

文化ではメシが食えないとも言われる。高速道路延伸などに期待するのもいいだろう。しかし、大規模公共事業は、大手資本、つまり都会が、カネや人を吸い取ってしまい、終われば、地元に何も残らない。

文化の物差しはカネではない。しかし、人を動かし、地域を動かすのは文化である。文化行政に力を入れる自治体が、最後には生き残ると思う。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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