安保法案 首長アンケート

 9月6日付高知新聞に、安保法案への賛否を問う県下首長アンケート結果(35人)が載っている。質問項目は3つで、①法案成立の賛否、②違憲か合憲か、③国会審議をどう感じているか。

結果は、①反対11、賛成7、その他17、②違憲7、合憲3、その他25、④疑問膨らんだ8、納得点増えた8、その他19、である。

私なら躊躇なく、反対、違憲、疑問膨らんだ、と答える。だから、反対、違憲が多いのは当然であると思う。しかし、私がここで問題にしたいのは「その他」が多いことである。その大半は両論併記等で賛否を明らかにしないもの(無回答2)。これは国政問題、司法の判断に委ねるべき、今後の議論を見守りたい、などである。

今回の安保法案は、国民の生命、財産をどう守るかが問われている。戦後70年を経て、今後のこの国のあり方をどう考えるか。これほど重要な法案はかつてなかった。

首長の最大の責務は住民の生命と財産等を守ることである。住民の一人一人は国民である。国は自治体の集合体である。ならば、この問題は首長にとって最も重要な問題であり、首長の役割の原点である。だから、この問題に対して、はっきりとした自分の意見を持てない(言わない)というのは、首長失格である。そんな無責任な首長なら「撤退」を願いたい。

質問3項目のすべてに対して「どちらとも言えない」の回答をした一人に尾崎知事がいる。①法案の賛否については、安保法案は必要と考えるが、その合憲性について徹底審議を望みたい、②違憲かどうかについては、個別事例に照らして徹底審議を行っていく必要がある、としている。

尾崎知事は、これまで県議会や定例記者会見等のいろんな場で、安保法案については「理解」を示す発言をしてきている。そんな中、6月15日、高知市で開かれた衆議院憲法審査会地方公聴会においては、6人の意見陳述人の中では、ただ一人「賛成」と受け取れる発言をし、そう報道された。

ならば、今回のアンケートにおいても「賛成」と答えるべきであるが、なぜ「どちらとも言えない」なのであろうか。私はこう推測する。国民世論の半数以上はこの法案に反対である。県民も同じであり、地方公聴会での発言に対する反発が予想以上に大きかったことから、今年11月の知事選挙(3期目)を控えて、態度を曖昧にする作戦に転じた。

尾崎知事の本音は安保法案賛成である。ならば、そうはっきりと言って、選挙で堂々と信を問えばいい。知事の「戦略」は不変だが、選挙のための「戦術」を変えたのだろう。この変更は県民に対してきわめて無責任である。

「その他」と答えた市町村長の事情は知事とは違う。回答はそれぞれ異なるのは当然であるが、総じて、法案には反対であるが、国に対してそれを表明する勇気がないことから、判断を「逃げた」ものである。これも情けないと思うが、地方自治の原則がゆがめられ、中央の権限が肥大化し、市町村は独自権限が弱まり、国や県の下請け機関化されてきている現状を反映したものである。

ちなみに、質問3項目に対して、反対、違憲、疑問膨らんだ、と答えたのは、室戸市、土佐市、宿毛市、田野町、梼原町、四万十町。これらの6市町長には、見識、勇気、ともにある。

一方、3項目に対して、賛成、合憲、納得点増えた、と答えたのは、南国市と四万十市の2市である。四万十市民としてなげかわしい。

(参考) 本ブログ 2015.6.17 「憲法審査会と知事の立場」http://hatanakamura.blog.fc2.com/blog-entry-174.html

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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