獅子の時代

 1980年に放送されたNHK大河ドラマ「獅子の時代」を、いまレンタルビデオで見ている。山田太一のオリジナル脚本で、幕末から明治にかけて、いわゆる明治維新と言われる時代がどんな時代だったのか問いかけた作品である。

この作品は歴史に関心のある人々(歴史研究者など)の間で、NHK大河ドラマの最高傑作ともいわれている「伝説的作品」である。私は当時もいまもNHK大河ドラマはほとんど見ない。この作品も見ていなかったが、途中からそんな評価を耳にしたので、最終盤の数回を見ただけだった。

この作品を、35年後のいまになって、全編を通して見ようと思った理由は2つある。

 一つは、安倍首相による「戦後70年談話」である。この談話は、安保法案、沖縄、TPP、原発等、もろもろのいまの安倍政権の政策の背景にある、安倍首相の歴史認識(歴史観)を示したものであり、冒頭こうはじまる。

「百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。」

・・・アジア諸国を勇気づけた??? 
日露戦争は、日本とロシアによる、中国、朝鮮の争奪戦だったのに、である。「明治期日本の産業革命遺産」のユネスコ世界遺産登録は安倍首相の肝いりだったが、中国、韓国からはギリギリまで抵抗を受けた。

 二つは、ドラマの主役が菅原文太であること。彼はこの時代に翻弄される旧会津藩士(歴史に実在しない架空設定)として登場する。ちなみに相手役の加藤剛も旧薩摩藩士で同じく架空設定。2人の対比・交わりの中で、ドラマは進む。

菅原文太は1年前亡くなった。その時、私は彼のことをこのブログで2度書いた。彼は、俳優を引退してからの晩年、平和問題、沖縄基地問題等について、積極的に発言していた。死ぬ1か月前には、沖縄知事選挙で翁長現知事の応援にもかけつけた。

私は彼の映画やテレビ作品はほとんど見たことがなかったので、辺野古基地問題が先鋭化しているいま、彼がどんな俳優だったのか、しっかり見ておきたかった。

 ドラマは全51話と長く、いま16話(函館五稜郭の戦い)までを見たところである。そんな中、きのうの高知新聞に菅原文太夫人(文子さん)のインタビュー記事が載っていた。文子夫人も夫の遺志を継ぎ、講演活動をしている。

「沖縄はさいの河原で石を積むような苦しみを抱えている。そのことを日本人全体が理解しなければ。普天間を米国が引き取るという選択肢がないなら、基地機能を日本本土に分散させ、普天間は閉鎖すべきです。」

「『戦争に向けて着々と準備中』と国民に言うリーダーはいない。『これは平和のための武装です、とうそをつく』。だまされないためには、一人一人が判断力を鍛え、自分の意見をはっきりと言い、選挙には必ず行くことが大事です。民主主義の筋トレには、不断の努力が必要です。」

沖縄に目を向けよう。
ドラマの感想等は、全編を見てから改めて書きたい。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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