梼原町議会と四万十市議会

 高知県梼原町議会は、11月12日、臨時議会を開き、伊方原発再稼働容認に抗議する意見書を、全会一致(定数8)で可決した。

愛媛県伊方原発については、10月26日、愛媛県中村知事が再稼働への「同意」をしたことから、来春以降の再稼働が見込まれている。尾﨑高知県知事も同日、これを「容認」する発言をおこなっている。

梼原町は愛媛県との境界に位置し、伊方原発から50キロ圏内に入っており、高知県では四万十市とともに最も伊方に近い。

意見書では、立地自治体の長と県知事の同意があれば原発を稼働できるとする制度上の問題点や、福島原発事故の原因究明が進んでいないことなどを指摘し、再稼働にかじを切った行動は断じて許すことができないと批判している。意見書は、安倍首相や関係閣僚、衆参議長、愛媛、高知県知事らに送られた。

2011年3月の福島原発以降、高知県内34市町村議会のうち26議会(梼原町議会も)で、伊方原発再稼働に反対する決議が行われていることからすれば、今回の意見書は当然出るべくして出たものと考えられる。今回が県下第1号である。これが議会として「筋を通す」というものである。

なのに、四万十市議会は「筋が通らない」ことをしている。先の9月定例議会において、「伊方原発についての公開討論会の開催を求める意見書」を否決(6対12)したのである。この意見書は、伊方原発再稼働の是非を直接問うのではなく、関係者や専門家等を呼んで、再稼働に伴う問題点等を議論しあおう、というもの。

四万十市議会では、私が市長時代、2012年6月議会において、「伊方原発の再稼働を認めないことを求める意見書」を賛成多数で可決している。私はこの意見書を尊重してきた。この意見書を可決しておきながら、その内容よりも「控えめ」な今回の意見書を否決するとは、およそ常識からすれば考えられないことである。

この3年の間に市議会選挙があり、議員の一部が入れ替わったことはある。しかし、大勢はそのままである。だとすれば、前回賛成しておきながら、今回は反対に回った「筋を通せない」議員が多いということである。

梼原町は四万十川の源流域、四万十市は下流(河口)域にあり、ともに四万十川流域である。伊方原発からの距離は、ともに50キロ圏で、高知県で最も伊方に近い。さらにいえば、四万十川の愛媛県側支流(弘見川、三間川)の源流域は30キロ圏内である。その支流が本流に合流する地点は四万十市西土佐である。ということは、梼原町よりも四万十市のほうが伊方に、より接近しているということである。

今回の四万十市議会の態度(意見書否決)は信じがたい。市議会の多数派は市民の命や安全をどう考えているのであろうか。変節と言われても仕方ないであろう。

高知新聞報道によれば、矢野富夫梼原町長は、今回の意見書を「重く受け止める。町としては住民を守るために原発に関する勉強会を続け、今まで通り再生可能エネルギーの自給率100%を目指す」と発言している。

私が市長時代、2012年7月6日、四万十川流域の5つの市と町の首長連名で「四万十川アピール - 原子力発電に頼らない自然エネルギー(再生可能エネルギー)への転換を進めます」を発表した。(本ブログ2013.12.2付)

矢野富夫町長はその1人である。
ぜひ、がんばってほしい。

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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