寒を待つ

 今年の冬は暖かい。今週になってやっと雪が降ったぐらいだ。

幡多は「冷やい」ところである。高知市よりも南西であるが、こっちのほうが気温が低い。高知市あたりは四国山脈が壁になっているが、こっちは山口県下関~豊後水道が風の道になっているためだ。愛媛県佐田岬から宇和島沖を通り、日本海からの冷やい北風がビュンビュン入ってくる。

最近の冬の四万十川は寂しいものだ。アオノリ採りの舟と人が出ないからだ。以前は、川が舟で埋まっていた。われ先にと、ワイワイガヤガヤ、にぎやかだった。

四万十川の天然スジアオノリは最近さっぱり採れなくなった。理由はいろいろあるが、一番の原因は川の水温が下がらないため。地球温化の問題もあるだろうし、四万十川固有の問題もあるのかもしれない。ごく最近では、河口の砂州が消失してしまったことも影響しているものと思われる。

アオノリは寒いほどによく採れる。採ったアオノリに付着している小石をとりのぞいたあと、河原に縄を張って干す。北風に揺れる風景は、冬の四万十川の風物詩になっていた。

ここらの農家は、たいてい川舟ももっている。冬の農閑期にはアオノリを採るためだ。アオノリの収入はかなり大きなものがあり、以前からそのおかげで冬場の出稼ぎには行かずにすんでいた。アオノリが採れないことの地域経済への打撃は大きい。

四万十川上流、四万十市西土佐では、3年前、8月の気温が41度と国内最高を記録した。

しかし、ここらは、もともと冬は寒いところ。夏は暑く、冬は寒い。季節のメリハリがあってこそ、自然の本来の姿だ。

冬の四万十川は寒くないと、本当の四万十川ではない。

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ご無沙汰しています。窪川の陶芸の武吉です。HPに最近の出来事をかいてます。http://takeyoshi.dante.jp/16_1from.html 「四万十町立美術館からの電話」お時間がある時に読んで頂ければ幸いです。
プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

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