四万十川のアオノリ

 きょうの高知新聞に「四万十アオノリ栽培へ」という記事が載っている。8年前から、四万十市は高知大学と連携してアオノリ養殖の実験を進めてきたが、いよいよ具体的スケジュールにのぼってきた。

四万十川の天然スジアオノリは、かつてはたくさん採れた。冬の風物詩であった。淡水と海水が交わる汽水域で、川底の石にアオノリが付着しグングン成長する。川全体が緑色に染まった。30年ぐらい前までは、年間収穫量は20トンを超えており、全国の70%くらいを占めていた。

川筋の農家は、みんな川舟をもっており、冬場は競って採った。私の母もその1人だった。四万十川の冬の恵みであり、農家にとっては貴重な収入源だった。

ところが最近はアオノリがめっきり採れなくなった。せいぜい2,3トン、去年の冬にいたっては1トンも採れなかった。今年も今が最盛期だが、去年と同じくらいである。寂しい限りである。

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アオノリ生態調査の結果、不良の原因もはっきりしてきた。水温の上昇である。

秋から冬にかけての水温が低ければアオノリは成長する。しかし、汽水域の水温は流れてくる川の水温よりも海水温の影響が大きい。この間の地球温暖化の影響もあるだろう。

また、6年前、四万十川河口の砂州が消失した影響も大きいと思われる。塩分濃度の濃い海水がどっと入ってくるようになった。このため、汽水域の生態系のバランスが崩れたのではないか。河口近くは荒波の影響もあり、ノリが成長しなくなった。漁場が狭い上流に移動した。

最初は陸上養殖実験もおこなったが、うまくいかなかった。次に、川の中への流し網方式へ。この方式は、徳島県の吉野川河口域で先行しておこなわれており事績をあげていた。

流し網方式は、ノリの胞子を植え付けた網を川に沈める(流す)やり方であり、順調であった。そこで、いよいよ地元漁協(四万十川下流漁協)が事業化をしようということになった。

四万十川のアオノリの「売り」はあくまで天然ものである。しかし、天然物は、収穫が不安定。天然を補完するものとして、養殖もおこなうというものだ。

元手のいらない天然ものと比べ、養殖となるとかなりの資金が必要になる。市から補助金を出すにしても、一定の負担を事業参加者(漁協組合員)がしなければならない。

クリアーすべき課題は多いが、ぜひ軌道に乗せてほしい。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

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