陶芸家 武吉廣和

先日、陶芸家武吉廣和さんの個展に行ってきた。会場は四万十町日野地の自宅。窪川の中心部から四万十川に沿って30分ほど遡った松葉川温泉近くの山の斜面に自宅兼窯場がある。

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私は40歳になったころから焼き物にはまっている。焼き物は、土と炎の芸術である。人間は土に生まれ、火に焼かれて土に帰る。人間の原点の姿がそこにある。

といっても、私は自分で作ることよりも、作品を見るほう。東京や大阪では、百貨店の美術画廊や陶芸サロンをはしごした。また、出張の多い仕事だったので、そのついでや、休みを利用して、全国の伝統的窯場は、ほとんどでかけた。「六古窯」といわれる、瀬戸、常滑、越前、信楽、丹波、備前など。主に、ぐい呑み、徳利などの酒器を求めた。

四国には土がない。だから、伝統的窯場が少なく、高知県にも尾戸、内原野があるが、全国的に知られているのは砥部(愛媛)くらい。だから、高知県の陶芸家とは縁がなかったし、注目もしていなかった。

武吉さん初めてお会いしたのは13年前。窪川に、武吉さんという、焼き締め陶にこだわった陶芸家がいるという話を、誰かから耳にした。そこで、当時、東京にいた私は、8月のお盆の帰省のさい、南国市で開かれていた個展会場を訪ねてみた。

その作品を見て、話を聞いて、自分のふるさとに、こんな芸術家の極限のような陶芸作家がいたとは、驚異であった。以来、何度も自宅アトリエには伺っている。

武吉さんは昭和25年生まれ。全国の窯場を行脚したあと、28歳の時、父のふるさとに近いこの場所に窯をつくった。地元の土などいろんな土を使って試行錯誤したあとは、信楽土を使った焼き締め陶にこだわっている。

武吉さんのすごいところは、土と炎の極限まで追いつめること。焼成温度ピーク1350度で10日間焼き続ける。使う赤松は30トン。備前、信楽、伊賀など、私は全国の多くの焼き締め作家を知っているが、こんな作家はいない。

メインにつくる壺などの作品を見れば、その違いは歴然としている。無限、深淵、荘厳・・・言葉では言い尽くせない。

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自分で松を倒し、マキをつくる。窯炊きは極限の作業であるため、いまは数年に一度しか炊かない(炊けない)。直近の窯炊きは3年前であり、次の予定もたっていない。

最近は、個展はもっぱら自宅で。武吉さんの極限の芸術を理解しているファンが訪ねてくる。

極限の芸術は極限の生活から生まれる。
極限の中から、日本や世界が見えてくる。

その行く末を憂い、自給自足に活路を求める。
伺った日も、裏山の開墾に精を出していた。

奥様のシカ肉料理は絶品であった。

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武吉廣和ホームページ →http://takeyoshi.dante.jp/





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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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