市民病院への心(1)

  四万十市議会3月定例会は、きょう18日、閉会した。執行部提出の議案は、すべて原案通り承認された。その中に、四万十市立市民病院会計への、次の資金対応が含まれている。

(1)2015年度補正予算 一般会計から長期貸出1億円
(2)2016年度当初予算 一般会計から繰り入れ2億円(うち1億円は市職員全員の給与カットで財源を確保)

この対応について、以下、私の意見を述べたい。

市民病院の経営問題の背景や、私が市長在任の2013年までの経過等については、このブログですでに2回書いている(2013.10.5 2014.3.8)。

要約すれば・・・
市民病院は経営収支の悪化により、2007年度から資金不足に陥った。収支悪化の根本要因は医師の減少。2004年スタートした国の新医師臨床研修制度の影響を受け、市民病院の常勤医師はピーク18人から私が市長就任した2009年には6人にまで減った。このため医療収入が減り、市は一般会計から市民病院会計へ、資金投入をせざるをえなくなった。

今回の対応までを整理すると、以下の通り。

2007年度 繰り入れ 300百万円
   8年度  同   220百万円 同額市職員全員給与カット
   9年度  同    70百万円+病院職員給与カット63百万円

  10年度        0
  11年度 繰り入れ  77百万円 議会が2度否決のうえ
  12年度 長期貸付  86百万円 繰り入れ原案を議会が貸付に修正
  13年度 繰り入れ  35百万円

  14年度 長期貸付 500百万円
  15年度  同    60百万円+(補正予算)100百万円
  16年度 繰り入れ 200百万円 うち半額は市職員全員給与カット

「繰り入れ」とは、資金ショートを防ぐため一般会計からの資金贈与することで、公営企業法では「基準外繰り入れ」という。長期貸付とは、期間3~5年後に返済を求めるもの。

最初の2007年は、初めての事態であり、私の前の市長が緊急対応として3億円を繰り入れた。しかし、翌08年は市の財政難を理由に市職員全員の給与カットで充当、09年は病院の自己責任を求め半額は繰り入れるが半額は病院職員だけの給与カットで充当、10年からは今後繰り入れはしないという方針(全額病院職員の給与カット)を出した。

そんな中、私は市長就任し、2010~13年の予算編成をおこなった。この4年間、私は1億円未満に抑えて繰り入れを行う予算をつくったが、給与カットはしなかった。(2012年の長期貸付は繰り入れ原案を議会が修正したもの)

理由は、病院経営悪化の責任は職員にはないから。私は経営コンサルを入れ、職員一丸となっていろんな経営改善策を講じたうえで、それでも不足する分は、市が繰り入れるのは当然と判断した。市民病院は市民のために必要な病院であるし、市民もそれを望んでいるから。

また、医師の確保に全力投入し、医師は6人から11人まで回復した。経営収支も着実に改善し、脳ドッグも始め、もう少し医師が増えれば黒字化という、一歩手前まできていた。このあたりのことは、以前のブログを読んでいただきたい。

そんな中、ここに来て、再び給与カットである。
「まさか」「またか」という思いである。

なぜ、こうなったのか。主因は、医師がその後増えていないからである。現市長は、就任前、自分は県や国との太いパイプをもっているから医師を増やすことができると豪語しており、それを公約にしていた。しかし、もう約3年たつのに、医師は11人のまま。

そんな中、4月から医師2人が退職する。

(続く)
プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

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