四万十とはどこ?

「2016奥四万十博」が始まった。「四国カルストから土佐の大海原へ」をコンセプトに、山、川、海に食を、とことん堪能してほしいという、観光キャンペーンだ。期間は、4月10日から12月25日まで。主催は、高知県の高幡ブロックの5市町でつくる推進協議会(須崎市、高岡郡中土佐町、四万十町、梼原町、津野町)である。

 いろんな観光キャンペーンをおこなう場合、その中身が一番大切であることはいうまでもないが、その名前(ネイミング)も結構大事である。

だから、私は「奥四万十博」のネイミングが気になる。言葉のイメージと私のエリア概念が一致しないから、頭が混乱する。

まず、推進協議会の本部がおかれているのが須崎市であり、会長も須崎市長であること。しかし、須崎市には一滴も四万十川は流れていない。

須崎市は天然の良港須崎港があるように、海の町である。もちろんカワウソで有名になった新庄川もある。ゆるキャラの「しんじょう君」は知名度全国級になっている。須崎市の川といえば新庄川だろう。市もそれを売りにしているのに。

「奥四万十」はだれもが四万十川の奥=上流というイメージを抱く。四万十川源流点の津野町(旧東津野村)や梼原町はそれにピッタリである。中土佐町(旧大野見村)や四万十町も四万十川上流域にあたるため問題はないだろう。つまり、肝心の本部を置く須崎市だけが枠外ということになる。

 実は、3年前(2013年)、幡多ブロックでは「楽しまんと はた博」という同じような観光キャンペーンをおこなった。私も準備段階でかかわった。こちらもネイミングに四万十を使ったが、四万十川が流れているのは四万十市だけ(厳密に言えば、宿毛市と三原村にも支流の一部が流れているが)であり、土佐清水市と黒潮町には四万十川は流れていない。

しかし、「楽しまんと はた博」の場合は、「はた=幡多」の言葉も使っていること、「しまんと」を「楽しむ」に引っ掛けていること、また推進協議会の本部を四万十市に置いたこともあり、このネイミングには、そう違和感はなかったのではないか。

2つのネイミングで考えさせられたのは、「四万十」がメジャーになったということ。そのインパクト。何としても「四万十」を使いたい、「四万十」を利用しない手はないということ。

しかし、では、みなさんに質問します。「四万十」とはどこですか???

地元の私が言うのですから間違いありませんが、「四万十」という地名はどこにもありません。

合併後、名前を変えた「四万十市」や「四万十町」はたしかにあります。しかし、それは、「市や町」の全域を言う総称のようなものです。しかもつい最近できたばかり。

古くから土着の固有名詞の地名には、「四万十」はどこにもありません。あるのは、「川」としての「四万十川」だけです。

だから、仮に四万十へ連れていってほしいと頼まれても、具体的にどのポイントに連れていけばいいのか困る。四万十を川の意味で使うのならば、四万十とは四万十川流域全体をさす言葉ともいえる。

しかし、そうならば、「奥四万十」からは須崎市は、はみでてしまう。
・・・何ともなやましい話だ。

あちらにも、こちらにも、「四万十」が氾濫している。みんなが勝手に四万十を使い、四万十を利用する。だから四万十が独り歩きする。

「四万十」はふわっとした風船のような言葉だ。

例えば、合併前の四万十市は、中村市と西土佐村であり、四万十町は、窪川町、大正町、十和村であったように、もっと地に足のついた地名を、忘れずに大切にしていきたいものである。



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田中全(ぜん)

Author:田中全(ぜん)
四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃんです。

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