尾﨑知事の約束(2)

昨年10月14日記事の続き・・・

 高知県の尾﨑知事がまたも約束破りを行った。この人は、約束という言葉の意味がわかっていない、ようである。

尾﨑知事は、6月19日投票の香南市長選挙に介入した。この選挙は2期目をめざす現職と新人の一騎討となり、市を2分する激戦となった。

尾﨑知事は現職を応援した。決起集会だけではなく、運動最終日にもかけつけ、街頭でマイクを握るという熱の入れようだった。結果は、794票の僅差で現職が競り勝った。

21日付高知新聞は、「知事効果で浮動票」との大きな見出しで、両者の政策等に大きな差がなかった中で、知事の応援が決め手になったと解説している。

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 尾﨑知事の「約束」とは何だったのか。私は前回記事で書いた。

2103年(3年前)4月、四万十市長選挙は、今回と同じように現職(私)と新人の戦いとなった。尾﨑知事は新人を全面的に肩入れした。私は敗れた。

この選挙では、本来中立であるべき知事が市長村長選挙に介入するのはおかしいとの声が多くあがった。新聞投書もあった。

このため、選挙直後の定例記者会見(4月30日)で、尾﨑知事は冒頭「まず最初に、原則として今後、私自身が選挙にあたって、特定の候補を応援することはしないつもりです。基本的には中立という姿勢を、今までもそうでしたけど、今後も貫いていきたいと思います」と述べている。この発言は県のホームページに記録されている。

 → http://www.pref.kochi.lg.jp/chiji/docs/2013050800412/#6

また、同年6月の県議会でも問題になり、同様の趣旨の答弁をしている。これも議事録に残っている(岡本和也議員質問)。

→ http://www.kaigiroku.net/kensaku/cgi-bin/WWWframeNittei.exe?A=frameNittei&USR=kockock&PWD=&L=1&DU=0&R=K_H25_06190002_TXT_L00000027_00000519

 知事も政治家である。私は前回も書いたように、知事が市町村長選挙に介入することを全面的にダメだと言っているのではない。介入する正当な理由があり、その説明責任を果たせるならば、許されると思う。

例えば、県政と大きく関係するテーマが争点となった場合である。いまの沖縄の基地問題は、その典型であろう。

記者の質問に、尾﨑知事が四万十市長選挙に介入した理由としてあげたのは「県との連携が十分ではない」ということだった。しかし、何が不十分なのか具体例等は何も示さなかった。この選挙の争点は地元問題ばかりであり、県政にかかわるテーマはなかった。

実は、尾﨑知事は前回(4年前)の香南市長選挙でも当時新人(前県議)だった今回の現職を応援している。理由は、自分(知事)の後援会事務局長を務めてもらった「同志」だから、と述べている。

記者会見では、これら2回の「例外」はあったけれど、「今後は中立という姿勢を貫く」と約束したのである。この約束を私は信じた。

しかし、裏切られた。尾﨑知事は、昨年11月の高知市長選挙でも現職を応援した。そして今回も、またまた、である。

今回の場合は確信犯である。なぜなら、同一選挙で2回目だからである。

今回の選挙で現職を応援した理由にあげたのは、高知新聞にあるように、「連携継続を望んだ」からだそうだ。前回の理由は「同志」だった。

一方で、知事は、相手候補は「非常に立派な方だ」とも言っている。つまり、2回とも「お友達だから」応援したということ、だけなのである。それ以上の理由は述べていない。

地方自治の土台は基礎自治体(市町村)である。県はその連合体のようにみえるが、知事は連合会長ではなく、市町村との関係は対等平等である。都道府県はどちらかというと国の出先に近い。

なのに、高知県は中央官庁出身の現知事になってから、県の顔だけが前面に出て、本来高知県の地方自治の主体であるべき市町村の影が薄くなっているように思う。

こんな中、知事が「お友達だから」という理由だけで、選挙に介入するならば、いまでも萎縮している市町村長は、なおさら知事になびくようになるだろう。

尾﨑知事の言う「連携」とは、文句を言わず県の方針に従え、という意味なのだろう。そう理解すれば、一連の知事の選挙行動がわかりやすい。しかし、それは地方自治をつぶす行為である。

真の「連携」とは、基礎自治体である市町村がそれぞれ個性を発揮し、主体的に生き生きと活動してこそ可能である。そうすることで県全体の活力が沸き上がる。

「知事効果」の恩恵で就任する首長は、せいぜい県の出張所長ぐらいの役割しか果たせないだろう。

尾﨑知事には、もっと多様な声や人を受け容れる度量がほしい。大所高所からの県政運営を望みたい。何よりも、地方自治の主体を取り違えないでほしい。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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