高知と徳島

 甲子園の神様のイタズラか。問題提起なのか。

8月18日、高校野球準々決勝は、明徳義塾(高知)と鳴門(徳島)の隣県対決となった。(結果は明徳義塾が3-0で勝った)

敵なのか、身内なのか。皮肉にも、先の7月10日投票の参議院選挙では両県がはじめて合区された直後であるだけに考えさせられた。

1. 地域代表か国代表か

 私がこどもころは、夏の全国高校野球大会予選は高知、徳島で争う南四国大会があった。それが1978年から1県1校(北海道、東京は2校)になった。

 当時もいまも予選参加校数は都道府県によって大きな差がある。(今大会では、神奈川196、愛知、大阪188、に対し、鳥取25、高知32、徳島34)しかし、それとは関係なしに、1県1校ということは、各校が都道府県という「地域代表」として認められているからである。

「1県1校」ないし「1県1人」という考え方は、スポーツだけでなくいろんな大会で広く認知されている。

これに対し、いまリオ・オリンピックの最中であるが、日本の各選手は全国いろんなところの出身者がいるが、全員が国代表であることは誰もが認めることであろう。


2. 憲法違反

では、国会議員は地域代表か国代表か。これは国代表であることはあきらかである。(各県代表には県議会議員がいる)しかし、選挙区が各地域別に分かれて、それぞれ人口(有権者)が異なることから、指定枠数(定数)をめぐって、不平等になっているのが現状である。

国民の投票権は基本的人権の一つであり、これに差があることは憲法違反であると、何度も最高裁判決で指摘されている。この判断は正しいと思う。

「定数調整」の弥縫策として導入されたのが先の合区である。しかし、これは高校野球南四国大会の復活であり、歴史に逆行。しかも、高知、徳島と鳥取、島根だけが「犠牲」になるものであり、県民感情からも受け入れがたいとして大きな反発があがっている。私も反対である。

3. 公平平等

 これの解決策をめぐって自民党筋から憲法改正すべきという議論がある。「地域枠」として各県1人保障するという考え方である。

しかし、これはどう考えても理屈が通らない。高校野球と同じように、例えば各県定数1とすれれば、それなりにすっきりする。しかし、野球と選挙を一緒にしてはいけない。「基本的人権」よりも「地域」を優先することは、とても憲法上認められない話であろうし、人口の多い東京の議員が高知と同数のたった1人では、都民が納得しないであろうし、実際問題として議員の負担が大きすぎることになり、とても耐えられない。

各県に定数1を保障したうえで、あとの上乗せ分に格差を残したままにするのなら、大同小異である。

しかも、憲法改正論は、本丸である憲法9条改正のための地ならしにしようという、魂胆(悪知恵)がすけてみえる。

となれば、根本的解決策は2つしかない。
選挙区を全国一本化にするか、議員定数の増加である。

全国一本化については、過去に参議院に全国区という制度があり、いまも比例区として受け継いでいる。しかし、これならば、結局人口の多いところに地盤をもつ議員が有利になることは容易に予想できる。また、選挙を身近に感じてもらうためには、選挙区は残したほうがいいと思う。

私は定数増がベストだと思う。

「痛みをともなった改革」「身を斬る改革」などが流行語になっているいまの状況では、定数増などとんでもないと思われるかもしれない。

しかし、よく考えてほしい。本来、国会議員は国民の声の代弁者であることから、その数が多いほど、多様な意見が国会に寄せられることになる。

もちろん定数増といっても議員歳費が国民の税金負担に跳ね返ってくる以上、無制限というわけにはいかず、おのずと制約はあるだろう。

一つの目安として考えられるのは政党交付金を廃止し、その財源でまかなえる範囲までである。

各政党の運営資金は、それぞれの政治活動の中でカンパを集めるとかして、自力で資金を集めるのが本来の姿である。なぜ、支持もしない政党のために税金が使われなければならないのか。相変わらず不正なカネの問題が跡を絶たないのをみても、「政治の浄化」を理由に導入された政党交付金制度が失敗したことは明らかである。現状では議員歳費総額よりも政党交付金のほうがはるかに多い。

 以上が私の意見。

そもそも、こうした議員定数不公平という問題が長い間放置されている背景には、この不公平の「恩恵」を戦後の保守政治が享受してきたことがある。自民党得票率が30%台なのに、議席では圧倒的多数を占めるという現状がある。

みんな、よく考えろ。
甲子園の神様は、これを指摘したかったのだ。。


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR