広報と広告(1)

 NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」を見ている。「暮らしの手帖」を創刊した大橋鎭子(社長)と花森安治(編集長)の物語だ。

「暮らしの手帖」(前身)は、戦後間もない昭和21年創刊。食料や物不足で戦後の混乱が続く中、国民の暮らしが少しでも豊かで楽しいものになるために役立ちたいと、衣・食・住、全般にわたり、生活の工夫、改善のための様々な提案をした。

根底には、戦争への反省から、一人ひとりが自分の暮らしを大切にすることを通じて、戦争のない平和な世の中にしたい、という思いがあった。

広告を載せないというのも理念の一つであった。生活者としての「公平な視点」を徹底するためである。

ミシン、アイロン、トースター、洗濯機などの商品試験を行い、生活者の視点か
ら問題点、改善点などを指摘した中で、メーカーなど各方面から強い反発があったが、これを続けられたのは、生活者からの支持とともに、広告を載せなかったからだ。

しかし、実は、創刊間もないころ、一度だけ広告を載せたことがあった。その時のいきさつがドラマに描かれていた。

資金不足の中で、常子(大橋)は雑誌を続けるためには、広告を載せざるをえないと判断。これに対し、花山(花森)は、広告を載せれば魂(たましい)を売ることになり、自由な編集ができなくなると、頑としてこれを拒否。

追い込まれた常子は、花山の了解をえないまま、独断で広告を載せた。花山は怒って去り、二人は絶交状態になる。案の定、広告主から、記事に対して注文(要望)がくるようになる。

常子は花山に頭を下げ、花山はやっとのことで戻る。

このシーンは胸に迫るものがあった。私の体験と重なったからだ。
・・・ならば、市の広報誌には、広告は必要なのか???

四万十市が毎月発行する「広報しまんと」には有料広告欄がある。しかし、私は市長就任後、広報誌に広告を載せるのはおかしいと判断し、これをやめた(休止した)。

広報誌は、全国どこの自治体も発行している。自ら定める「広報発行規則」に基づいて。

「規則」はどこも似たようなものであろうが、四万十市は広報発行の「目的」を

「 本市の行政その他諸般の事項を広く一般市民に周知徹底させ、市政の民主化を図るとともに、正しい世論を喚起し、相互理解と協力を促進するため 」

とし、「掲載事項」は、以下の通り定めている。

(1) 諸法令、諸例規等の市民への周知に関すること。
(2) 市の諸施策及び行事等市民への徹底に関すること。
(3) 市政に対する民意の反映に関すること。
(4) 市内各種団体の市政に対する協力に関すること。
(5) その他必要と認められる事項

むずかしいことを書いているが、要は、市の情報を広く市民に伝え意見交換をすることだ。また、

「 広報には広告欄を設け、有料広告の掲載をすることができる 」

とも、定めており、別途「広告掲載要綱」で料金、募集方法等の手続きを決め、実際の運用を行っている。

今回、県立図書館に出向いて、高知県内34市町村の広報誌を全部調べてみたところ、現在有料広告掲載をしている自治体は9あった。四万十市は私が市長をやめたあと広告が復活したので、この中に含まれている。このほか、高知県の広報誌「さんSUN高知」も有料広告を載せている。

みなさんのところの広報誌はどうであろうか。(続く)

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
フェイスブックもやっています。

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