ごんぎつね

最近、少々絵本にはまっている。

先の市民大学での柳田邦男の話、映画「じんじん」上映会、中井貴恵による読み聞かせの会では、いずれも、絵本は子どものためだけにあるのではなく、大人にとっても大切なものであり、人生を生きぬくための大きな力を与えてくれる、ということを教えてもらった。柳田邦男の『大人が絵本に涙する時』も読んでみた。

そこで、きょう図書館に行って、『新美南吉童話集』を借りてきてた。
昭和18年に29歳で亡くなってから有名になった新美は、宮沢賢治と並ぶ日本の代表的童話作家とされているが、私は代表作「ごんぎつね」だけしか知らなかった。
しかし、ほかにもたくさんの童話を残している。
「手袋を買いに」「銭坊」「巨男の話」「張紅倫」「正坊とクロ」「のら犬」「一枚のはがき」「名無し指物語」など・・・が「童話集」に納められている。

どれも短編なので、すぐに読んでみたが、ほとんどが悲しい話ばかりだ。ほのぼのとしたものもあるが、少数だ。
しかし、それゆえに、人間社会の真実を突いている.
だから、心を打つのだろう。

「ごんぎつね」も、あらためて読んでみた。

いたずら好きの子どもキツネごんは、ある時、村人(兵十)が川でとっているウナギを篭からぬすんでしまう。しかし、ごんは、そのウナギが孝行息子が病気で寝込んでいる母親に食べさせるものだったことを知って、いたく反省をする。ごんは、そのお詫びに、夜な夜な、兵十の家の土間に栗や松茸などを届けるようになる。兵十は不思議に思うが、誰が届けてくれるのかわからない。ある夜、ごんは土間から出るところを兵十に見つかってしまう。兵十は、あの悪さをするキツネだと思い、火縄銃で打ってしまう。そして、土間に栗が置いてあるのを見て驚く。「ごん、おまえだったのか。いつも栗をくれたのは」、ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずく。そして、「兵十は火縄銃をばたりと、とり落としました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました」で終る。

悲哀です。
自分では、一生懸命尽くしているつもりでも、それが理解されず、受け入れられない。逆にひどい仕打ちを受けることも・・・・・・
そんな理不尽やもどかしさを覚えることは、誰でも経験があるのではないでしょうか。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR