点検 四万十市政(5-終)

7. 中平市政の評価(まとめ)

〇 行政改革 機構改変 副市長2人制

 現市政になってから始められた新しい施策等を考えるさいのポイントになるのが2015年4月、四万十市合併10年を迎えたことである。

小泉内閣のころ「平成の大合併」を推進するために、国は本来削減される地方交付税を合併すれば10年間は猶予するという特例措置「合併算定替」を設けていた。2015年4月以降、本市は毎年平均6億5千万円の交付税が削減されるとされていた。本市のような合併自治体にとっては、その対応策が大きな課題であった。

収入が減るならば支出も減らさなければならないのは当然である。そこで考えたのが強力な行政改革、一言でいえば市役所内の人員削減である。

合併そのものが大きな行政改革であり、私の代も含めて継続的に人員削減と抑制を進めてきていたが、さらに強力に進めようというものであった。

しかし、ここで重要なのは、私のころは毎年6億5千万円といわれていた交付金削減額は、全国からの強い要望等もあり、実際は約3割削減(約2億円)にとどまっていることである。

にもかかわらず、人員削減はこの4年間、それを盾に強力に進められ、機構改変=課の合併が進められた。

私の代には、地震防災課、林業課、商工課と3つの課を増やしたが、その後、先にも述べたように、林業課、商工課はもとの課に戻され、さらに加えて、建設課と水道課、生涯学習課と社会体育課が合併され、いまに至っている。(税務課は収納対策課を分離された。)

人員削減のもう一つの方法は、市の事業の一部の民間委託(民営化)である。図書館管理運営業務と市民病院給食業務がその対象となった。次は、保育園だと思われる。

しかし、そうした人員削減と矛盾するのが副市長を2人制にしたことである。選挙公約にもないままに突然に。人件費コストは副市長1人で4年間4700万円。若い職員を3~4人採用できる額である。

人口3万5千弱の本市程度の規模の市で、副市長を2人おいているところは全国でもまれである。国交省から迎える副市長の効果はそれ以上のものがあると「具体的」に説明できれば別だが、これまでそんな説明はない。

〇  総合計画、産業振興計画

全国市町村は、ほぼ10年単位で将来見通しである「総合計画」を策定している。本市では、四万十市合併の際「新市建設計画」の名で作成していたが、2015年には合併10年を迎えることから、私は2013年から新たな「総合計画」の策定作業に着手することを表明していた。(2013年3月議会市長説明要旨)

市長交代により、新たな総合計画は現市長の下で作成されたが、その特徴は、高知県がすでに策定し全県的に取り組んでいる「高知県産業振興計画」の四万十市版産業計画とセットで策定したことである。

国、県との連携が必要なことは当然のことではあるが、重要なのは、そんな中で、策定の手法を含めて、いかに地元の特色、独自性とオリジナリティ―を出していくかである。

現安倍政権になってからの地方対策は、「地方創生事業」にみられるように、政府内に「ひと、まち、しごと創生本部」がつくられ、その企画、要綱に沿った地方の計画に限って補助金を交付するというやり方である。カネがほしければ、政府の言う通りの計画をつくりなさい、と言うことである。

国内にはいろんな地域がある。自然、風土、文化、歴史、生活等が異なる。だから、国がすべてを画一的に決めてしまうのではなく、それぞれの地域には自治権といって、自分たちの裁量で決める権利が、憲法で認められ、地方自治法に定められている。人権と地方自治は民主主義の両輪である。

にもかかわらず、最近、地方自治体はますます国の出先機関化してきている。
あたかも、県は国の支店、市町村は県の出張所のようである。

こうした状態が続けば、市町村は、国や県の顔色ばかりを見て仕事をするようになる。国や県の企画に合った仕事しかしなくなる。

大切なのは上(国、県)ばかりでなく、足下(地域住民)に目を向けることである。地元の施策は地元で創意工夫する。でないと、市としての独自の企画力や創造力も退化し、自治体としての存在意義が失われてしまう。

〇 中学校給食

中学校給食は前回市長選挙において現市長の公約にあげられていたものであり、2016年度からスタートした。

私も次のステップの事業として考えていたが、それを前倒しで実施することとなったものであり、私も賛成である。

〇 コールセンター誘致

四万十市は、地元雇用確保策として、、現市長になったから東京からコールセンターを誘致し、2014年3月、旧田野川小学跡地において事業開始した。

誘致は高知県の紹介によるものであり、同年1月には、誘致企業(DIO)、四万十市、高知県の三者間で基本協定書が締結され、新聞でも大きくとりあげられた。

しかし、実際事業を開始した企業は別の企業(エボラブルアジア)の子会社(E.A.高知コンタクトセンター)であった。協定書を交わしたDIOは同年8月倒産(破産処理)した。

誘致にあたっては、市から多額の補助金を出しており、その補助金審査段階から不可解な手続き(審査したのは倒産企業)がおこなわれたことは、先に指摘した通りである。

  詳しくは →http://hatanakamura.blog.fc2.com/blog-entry-115.html

E.A.コンタクトセンターは、1年半後の2015年9月、社長交代し、社名もHTC四万十センターに変更された。(親会社は同じだが、新社長は親会社役員ではなく、不可解な体制である)

同社向けには、いまも市からの補助が続けられているが、2015年3月決算書によれば、相当な額の資金が大分県佐伯市にある別の子会社に貸付金として流用されている。

雇用が少ない本市にとって、貴重な雇用の場であるだけに、将来にわたる事業継続と安定的雇用確保のためにも、誘致当初からの不可解な経緯について、市は説明責任があると思われるが、いまだなされないままである。
 
〇 2つの成人式

本市では合併12年を経ていながら、いまだに成人式が2カ所(中村、西土佐)に分かれて行われている。県下にはこんな自治体はなく、全国にもないもとの思われる。

このため、私は合併10年を前に、2014年1月から一本化すべく手続きを進め、その方向でほぼ決まっていたし、西土佐地域(区長会)からも合意を得ていた。

ところが、その後、一本化は突然に先送りとなり、いまに至っている。

成人式は、将来の四万十市を担う青年に心一つになってもらい、市民が期待を託す場である。その青年が同じ場に集まれないということは、ゆゆしきことである。

   詳しくは →http://hatanakamura.blog.fc2.com/blog-entry-226.html

〇 市長メッセージ

 四万十市の発展を願い、いろいろ書かせていただいたが、以下でまとめとしたい。

4月23日の市長選挙で選ばれる、新しい市長に期待することは、「市長メッセージ」をどんどん発信してほしいということ。

市長は会社で言えば社長である。社の内外に向かって、常に社の方針や課題等について、メッセージを発しなければならない。自分の言葉で言わなければならない。社長が何を考えているのかわからないのでは、社員は不安になる。

この4年間、残念ながら市長のメッセージはほとんどなかった。市広報誌でも、市ホームぺージでも。それ以外でも。

市長は何を考え、四万十市をどういう方向にもっていこうとしているのか。

「夢とビジョンのある四万十市」をキャッチフレーズにしている以上、その夢とビジョンを大いに語ってもらいた。抽象的な言葉だけだはむなしく響く。大切なのは具体的中味である。

市民はそれを期待している。
 
  詳しくは →http://hatanakamura.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

(終り)

  DSC_3166-1.jpg


 

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR