落合恵子

7月12日、土佐清水市夏季大学 落合恵子講演「いのちの感受性」を聞きにいった。どんな話をするのか、この目と耳で確かめたかったから。

彼女を知ったのは、私が高校生のころ。ラジオの深夜放送のデスクジョッキーをやっていて、レモンちゃんと言われ、若者のアイドルのような存在だった。何度かラジオで声を聞いたことがある。

そのうち文化放送をやめ、モノ書きとして独立。その後も、新聞や雑誌、テレビなどに、たびたび登場しているのは知っていたが、ほとんど関心はなかった。マスコミ受けする、軽いタッチの放送タレントぐらいにしか思ってなかった。

そんな彼女を、オヤッと思ったのは、いつごろからであろうか、社会的発言をしはじめたから。政治がからむ社会問題に対して、結構強いものの言い方をしているのが目にとまるようになった。

最近では、特定秘密保護法、原発、安保法制、共謀罪・・・いろんな反対集会の呼びかけ人になり、先頭をきってマイクを握っている。

そんな姿は私のイメージからはかけ離れていた。いつから変身したのか。きっかけは? それとも、最初から秘めた思いがあったのか。ずっと、知りたいと思っていた。

彼女の実物を見、聞くのは今回初めてである。歯に衣着せない「強い女」だなと思った。

1時間半、しゃべりまくった。この人は何を言いたかったのか、何がこんな強い女にしたのか。結局のところ、それは彼女の出自にあるのだろうと思った。

講演のキイワードは母。
終戦直前の昭和20年1月、母は結婚しないまま、22歳で私を生んだ。栃木県宇都宮市で。母は「私を守るために」東京に出た。ずっと二人で暮らした。

「父なし子」は、社会から差別される存在。同じ「いのち」であるのに。

母も同じ「いのち」。だから、老後の介護は、全部私がやった。施設には入れなかった。認知症で記憶を失った母とも対話をすることができた。二人だけのかけがえのない時間。

二人は社会から多くの仕打ちを受けてきたのだろう。だから、世の中の理不尽で不公平な出来事、一部の人間だけが得をする仕組み、には黙っていられない。

腹をくくった女のすごみがある。講演の中でも「モリカケ」「THIS IS 敗因」も出た。「せっかく遠くまで来たのだから」言わせてもらう、と。

彼女のトレードマーク「魔女や山姥」のような髪型は、自ら「怒髪」と呼ぶ。世の中に対する怒りの爆発。この髪型は、母の介護生活の中で、美容室に行く時間をカットするために、考え出したものだそうだ。

講演のタイトル「いのちの感受性」という言葉は、一度も使わなかった。しかし、「感受性」は、怒り、抗議、主張であり、これをなくしてしまえば、人間おしまいだぞ、という警告であると思った。

彼女は単なるモノ書きではなく、クレヨンハウスの主宰者(社長)であり、各種事業のプロデユーサーである。福島原発事故以降、毎月東京で「原発とエネルギーを学ぶ朝の教室」も開いている。

私はいまの彼女の行動の原点は出自にあるとみたが、ただそれだけでなく、途中に大きなジャンプをする引き金があったはずだが、それについては触れられなかったし、私もわからなかった。

彼女は驚くほど多くの本を書いている、しかし、私は1冊も読んだことがない。

読めばわかるのだろう。会場で新刊書にサインをもらおうと思ったが、人だかりであったので、別に2冊を注文した。

「母に歌う子守歌」
「老いることはいやですか」

彼女が土佐清水夏季大学に来たのは38年ぶり2回目という。前回のテーマは「自分をいきる」。「いのち」と「いきる」は、人間への執着。彼女の一貫したテーマであるのだろう。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
フェイスブックもやっています。

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