FC2ブログ

画家幸徳幸衛の凄み

幸徳幸衛の絵画がいま県立美術館コレクション展「高知の洋画」の中で展示されているので見てきた。

幸衛は幸徳秋水の甥(兄の子)。明治38年15歳の時、秋水に連れられアメリカに渡った。秋水はすぐに帰国したが、幸衛は絵の勉強がしたいと残る。

しかし、まもなく秋水は大逆事件で刑死。身内としてアメリカでも迫害を受ける中、結婚、子も2人できたが、単身パリに修行に出た後、昭和4年一人でシベリア経由27年ぶりに中村に帰る。

地元でも風景画などを描き続けたが、昭和8年43歳で病没。アメリカに残した家族には会えないままであった。

中村の縁者が所蔵していた幸衛遺品をこのほど県立美術館に寄贈。その中の絵画、スケッチブック、スーツケースなどが展示されている。

幸衛は秋水刑死後、号を「死影」とした。展示の中の代表作、パリで描いた「眼のない自画像」は、社会から白眼視され、踏みつけられた人間の崩された顔であり、鬼気迫るものがある。

単なる絵画展ではない。大逆事件は秋水一族の人生をも歪めてしまったという、暗黒社会の襞(ひだ)に触れるような凄みがあった。


  高知新聞「声ひろば」投稿
   2017.11.10

  20171110094159806.jpg   20171110094157335.jpg   20171110094154ebe.jpg
 


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
フェイスブック(FB)もしています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR