ラグビー

 きのう全国高校ラグビー大会の決勝戦があり、東海大仰星(大阪)が桐蔭学園(神奈川)を破り優勝した。

 私はラグビーをしたことはないが、見るのが好きだ。東京秩父宮や大阪花園のラグビー場には何度も行った。

 好きな理由は、チーム(組織)でたたかうことに徹したスポーツであるからだ。私が信奉する協同組合理念「一人は万人にために、万人は一人のために」を地で行っている。

 組織のために個を殺す。個を活かすために組織が動く。スクラム、モール、ラックなどのプレーは個の塊(かたまり)である。ボールを活かすも殺すも塊である。泥まみれのぶつかり合いは、人間の闘争心の原点であり、テクニックとは無縁。スター選手はいらない。

 もう一つの理由は、紳士のスポーツであること。ノーサイド精神だ。ゲームが終われば、敵も味方もない。だから、延長戦はない。同点なら両チーム優勝(決勝戦)か、くじ引き(予選)だ。チーム関係者は、みんなネクタイをつけて応援する。

 ラグビーにはアマチュアリズムの伝統がある。長くプロ化を排してきた。最近でこそ、プロに近い社会人ラグビーが目立ってきたが、人気は学生ラグビーのほうが高い。私も高校、大学ラグビーが好きだ。

 その学生ラグビーであるが、最近では、高校は西、大学は東が強いことが完全に定着している。

 きのうの高校ラグビーも西(大阪)が勝った。これで、全国大会では1998年以降、16大会連続で西が優勝している(2011年は東西両校優勝)。そのほとんどが関西勢だ。

 大学ラグビーは逆で、1986年以降、28年連続して関東の大学が優勝している。今年はベスト4がすべて関東勢で、1月12日に決勝戦(帝京―早稲田)が行なわれる。

 なぜ、こうなってしまったのだろうか。
 まず、高校については、野球で言えば、過去は西が強かったような気がするが、昨年夏は前橋育英(群馬)が優勝したように、いまは東西の差はないと思う。

 サッカーはどうか。Jリーグ誕生以降、サッカー人気に押され、学生間でも泥臭くみえるラグビーよりも、派手で、個が目立つサッカーに選手がシフトしていると言われている。Jリーグのチームは関東中心に東に多い。ならば、高校サッカー優勝校も東が多くなっているかと思い、調べてみたが、そうでもない。過去と大きな変化はなく、東西均衡している。

 高校ラグビーについては、原因がよくわからない。

 しかし、大学ラグビーについては、原因ははっきりしている。西の高校の有力選手の多くが関東の大学へと進むからだ。いま4連覇中の帝京大学は、レギュラー選手の大半は関西、九州の高校出身者だ。他の強豪大学も同じ。名前は関東でも中身は関西だ。「羊頭狗肉」という言葉を思い出す。

 これではおもしろくない。ラグビー界のためにもならない。サッカーに押され、ますます人気が落ちていくだろう。強いチームが西と東にバランスよくあってこそ、応援にも熱が入るし、普及にもつながる。

 こうした現象を防ぐためには、特に関西の有望選手は地元の関西の大学へと進んでほしい。大学での関西勢の優勝は、1983~85、3連覇した同志社大学が最後である。そのチームには、平尾、大八木など、高校時代、京都・伏見工業で全国優勝したメンバーがそのまま地元に残っていた。

 スカウト合戦になれば、ヒト、モノ、カネがモノを言う。規模が大きい、力の強い方が勝ち残る。前号で書いた箱根駅伝もだ。スポーツの世界も、競争原理至上主義、経済の新自由主義と同じなのだ。

 2020年の東京オリンピックに向けて、東京一極集中はさらに進むだろう。
 地方を守っていくためには、相当の覚悟で臨まなければならない。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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