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暑さ日本一返上

毎日暑い。死にそうだ。

そんな中、7月23日、埼玉県熊谷市で国内最高気温41.1度を観測した。これで、5年前に四万十市で出た記録41.0度が更新された。

ああ、よかった。正直、私はホットしている。熊谷市には悪いが、こんな記録は自慢にはならない。

人は、日本一暑いところと聞いて、どう思うだろうか。それはすごい、ぜひ行ってみたい、住んでみたいと思うだろうか。普通の人は思わない。

逆に、住みにくいところというレッテルを貼られたようなもので、迷惑な話である。

ところが、5年前、2013年8月12日、四万十市西土佐江川崎の観測ポイントで41.0度が出た時は、今回と同じように、マスコミで大きく報道されたものだから、知名度が上がるラッキーチャンスとして、地元では歓迎し、はしゃいだ。

地元全体が浮ついていたので、私はすぐに高知新聞に以下の投書を書いた。


     環境保全でも日本一を

 四万十市は国内最高気温41度を記録し、にわかに注目を浴びた。これを歓迎し、「日本一暑いまち」を観光や地域おこしなどにつなげようという声がある。それも大事なことだが、一方で重い責任をかかえたことにもなる。
 近年の異常気象は、人間の産業活動に伴う温室効果ガスや環境破壊による地球温暖化が原因であることは明らかだ。この夏の猛暑では、高齢化社会が進む中での熱中症患者の増大や、渇水による給水制限、農作物への被害などにより、人間の生活が脅かされている。
 四万十川は日本最後の清流と呼ばれて有名になった。最後という意味は、自然環境や人と川の文化がいまも残っているということだ。この四万十川が異常気象においてもシンボルになったことの意味は重い。
 昨年7月、流域5市町共同で原発に頼らない自然エネルギーへの転換をめざす「四万十川アピール」を発表したように、四万十川の自然や環境を守ることなど、温暖化対策等地球環境を守っていく取り組みにおいても日本一になることにより世論をリードし、注目されなければならない。
流域に住むわれわれとしてはその責任がある。
 
    高知新聞「声ひろば」2013.8.23


それなのに、今回熊谷市に抜かれたことを残念がる声も、なお聞かれる。すぐ抜き返してやる・・・などと。

しかし、よく考えてほしい。この夏の異常な暑さにより、熱中症で何人もの人が亡くなっている。最近は「危険な暑さ」という表現が使われるようになった。まさに、命が危険なのである。

人だけなく、農作物などにも悪影響大である。だから、この暑さを喜ぶ人などいない。

暑さを武器にまちおこしを行うことは、逆転の発想、またはブラックジョークとしては面白いかもしれない。マスコミも取り上げるので、地域の知名度は上がるかもしれない。しかし、それは悪いイメージの知名度である。

四万十市には誇れるものがたくさんある。第一に、「最後の清流」四万十川だ。

清流にはひんやり涼しいイメージがある。市は、これを看板に、住みやすさを売りにして、移住促進にも力を入れているのではないか。

暑さを競うことは、これを否定することになるではないか。地獄へのレースのようなもの。他に自慢できるものがないとPRしているのと同じ。市のスタンスが問われる。

今回暑さ日本一を譲った西土佐地区(旧西土佐村)は市内で過疎高齢化が一番進んでいるところである。

地域で唯一の医療機関である市立西土佐診療所はずっと常勤医師2名体制を維持してきたが、3年前から1名になり、小児診療や夜間診療に制約が出ている。募集しても医師が来てくれない。地域の人々の命が守れない状況で、いま市政の最重要課題になっている。

なのに、暑さをPRすれば、医師はますます行きたくなくなると思うだろう。自分で自分の首を絞めている。

地域を守るために、まず地に足をつけること。
浮ついた発想はいけない。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
フェイスブック(FB)もしています。

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