高知県知事の責任 ― 伊方原発再稼働

きょうの高知新聞に、伊方原発(愛媛県)の再稼働に関する、尾﨑高知県知事へのインタビュー記事が載っているが、県民の安全を守らなければならないという知事の責任の重さをどう考えているのか、疑問に思う内容である。

原発再稼働のための事実上の条件になっている「地元同意」については、「高知県の同意を条件とすることは求めない」と言っている。理由は、距離の近いところ(愛媛県と伊方町)の発言力が強いは合理的な姿だと。

また、高知県と四国電力は継続的に勉強会や事務協議をおこなっており、疑問点があれば納得するまで質問を繰り返しているから大丈夫だと。

そして、原発のあり方については、「新エネルギー開発などが十分でない過程において、一時的にせよ(再稼働を)現実論として受け入れなければいけないと思う」と言っている。

まず、距離の問題である。これでは、隣接する高知県は距離が遠いから心配ない、だから発言を遠慮するということ。伊方から高知県までの距離は、愛媛県と接する四万十市と梼原町が最も近く50キロである。いまの冬場は北風が高知県に向かって吹いている。伊方から実験で飛ばした風船が幡多地方まで届いていることでもその「近さ」が証明されている。さらに、四万十川の愛媛側の支流・広見川の源流点までは30キロである。上流に降った放射能は河口まですぐに流れてくる。

大飯原発(福井県)の再稼働に関しては、隣接する京都府知事と滋賀県知事が自分らの同意を条件とするよう強く求めている。高知県とは好対照だ。

また、勉強会などで疑問点を解明しているから大丈夫だというのもどうか。福島第一原発事故を通して、電力会社のデータ隠しなどの隠ぺい体質があれほど明らかになっている。しかも、これまで勉強会で何を解明したのかも、県民には何も明らかにしていないのに。

 高知新聞はきのう、この知事インタビューの前段として、四国4県を対象とした世論調査(4県紙共同)の結果も載せている。

それによると、伊方原発再稼働については、反対が60.7%(反対26.5、どちらかといえば反対34.2)で賛成36.3%(賛成11.0、どちらかといえば賛成25.3)を大きく上回っている。4県の中では高知県が最も反対が多く69.4%である。

また、「地元同意」の範囲は、四国4県と山口県とすべきが48.6%と最も多い。高知県に限れば58.6%。(ほかの回答は、愛媛県と伊方町、30キロ圏内7市町など)。

「地元同意」については、私が市長在職中の2012年5月、高知新聞から同様の県下首長(34人)アンケートがあり、31人が高知県も関与すべき(うち私を含む9人は市町村も関与すべき)と回答している。
 
こういった県民や市長村長の意向を、尾﨑知事はどう受け止めているのだろうか。

原発事故はいったんおこれば、放射能は広く大気中に拡散する。大気には、県境などはない。風向きによって無限に拡散していく。

尾﨑知事は、インタビューで「私としては地元同意をする立場にはないが、賛成と言うのか、反対と言うのか分からない。」「勉強会をやっている最中だから、四電の回答を見て最終的に決断させていただかないといけない話だ。」などと、脈絡のはっきりしない、意味不明な言い方をしている。逃げた言い方だ。

尾﨑知事の日頃からの発言などをきくと、原発再稼働ありきで、前のめりになっている。自然エネルギーへの転換等に向けた具体的施策など、力強い発言はみられない。

だから、ややこしい判断を求められる「地元」は返上したいのであろう。

あたたかいおもてなしが身上の「高知家」の家族を増やしていくためにも、脱原発で安全・安心を看板にすることこそ最も有効。いまこそ、そのチャンスだと思うのだが・・・

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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