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四万十川 津賀ダム

四万十川にはダムがないと思っている人が多い。これは間違いではない。しかし、正確ではない。

確かに本流にはない。しかし、最大の支流梼原川にダムが二つあるからだ。津賀ダムと初瀬ダム。二つとも戦前(津賀=昭和19年、初瀬=昭和12年)につくられた発電専用ダムだ。

10月27日、「四万十川を守れるか」をテーマに学習会を開き(主催・脱原発をめざす首長会議)、濁水問題など最近の四万十川の環境変化についても議論をすることになっている。

そこで、梼原町と津野町役場に学習会のチラシを届けに行った足で、濁水でいつも問題になる津賀ダムの最近の様子を見てきた。

津野町内の梼原街道交差点から国道439号に沿って北川川(梼原川支流)を下る。初めての道。「酷道」と呼ばれるヨサク(439)だけあって、道は狭い。車はほとんど走っていない。たまに対向車が来ると離合に苦労する。

北川川の水は透明で、さらさらと流れている。黒尊川と似ている。途中に集落はほとんどない。

しかし、梼原川と合流する地点で水の流れが止まる。ダムの影響だ。下るに従って水の淀みがどんどん広がり、下津井集落あたりで、池から湖になる。しかし、湖面は林にさえぎられてよく見えない。

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さらに下ると、ダムが見えてきた。長さ145メートルのダムサイトの上に立って、初めて全容がわかった。湖面は長く伸びている。8月から雨が多かったからか、満水だ。45.5メートルの眼下に、少しずつ放流している。

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このダムは太平洋戦争下の昭和19年つくられた。朝鮮人労働者も動員して。幡多高校生ゼミナールが調査記録し、朝鮮人犠牲者の慰霊碑も建てた。

当初、電力はすべて新居浜の工場地帯に送られた。近隣の民需に回されるようになったのは戦後から。

ダム湖の底には年々ヘドロが蓄積される。大雨が降ると泥水の水ガメになる。それが、一斉放流されると、泥水が本流に注ぎ込む。

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私は、1週間前、大雨の翌日、少し下流の大正の町で、本流との合流点を見た。本流はそんなに濁っていなかったが、ダムからの濁流がそれを泥色に染めていた。「朱に交われば赤くなる」。合流前と後では本流の色の違いが歴然としていた。

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              合流点

津賀ダムは四国電力が運用している。その水利権(30年)が来年3月末で更新時期を迎える。

30年前の騒動を、私はよく覚えている。流域の住民たちが立ち上がり、ダム撤去の運動が盛り上がったのだ。

結局更新はされてしまったが、今回は驚くほど静かだ。問題提起の報道もない。30年前は何だったのかと思う。

水利権の更新を認めるかどうかは、最終的には国交大臣が判断をするのだが、国は県知事の意見を参考にする。県知事は地元流域の意見を参考にする。

きょう県の所管河川課に照会したところ、地元代表や学識経験者で構成する検討会(梼原川河川状況調査会)がこれまでに3回開かれ、このほど「問題ない」の答申が出たという。

地元とは、ダムがある四万十町と上流の津野町、梼原町の3町。なぜに、濁流の影響をもろに受ける下流の四万十市が入らないのか。3町には四国電力からの税金などの見返りがある。しかし、四万十市は濁流を垂れ流されるだけで、何の見返りもない。市長は声をあげるべきだ。

ダム湖に、この30年間のヘドロが上乗せされただけでも、濁水問題は深刻化している。

四万十川の漁獲量も激減。そのため、2年前から、ウナギ漁が10月から、今年からエビ漁が9月から禁止になった。資源保護のためだ。

更新まで、あと半年ある。
10月27日の学習会では、津賀ダム問題も議論をしたい。

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
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