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市立愛育園の歴史(1)

四万十市6月市議会冒頭、中平市長は「市長説明要旨」において、市の中心部中村にある二つの市立保育所(愛育園、もみじ)を統合したうえで、民設民営に移行させる方針を打ち出した。

少子化と、施設の老朽化(特にもみじ保育所は昭和48年建設で耐震不備)のため、私の市長時代から二つの新築統合は将来やむなしとの見通しをもっていた。

現執行部もこうした判断から、2年前に中村東町の旧日本たばこ中村営業所跡地を取得したことから(私のころから候補地にあがっていた)、いよいよ統合後の保育所を市がここに建てるであろうことは、誰もが予想をしていたことであった。

この間、民営化の議論はまったくなかった。ところが、ここにきて突然、「民設民営」の話が出てきたのである。

中平市長は議会質問に、この間、民営化についてはじっくり検討してきたと答えた。驚きである。それは保護者や市民の声を聞かずに、内部で密かに検討をしてきたことを意味している。

2021年度開園というスケジュールまで固めた案ができたところで、突然に出してきたのである。そんなのは相談ではなく押し付けである。

では、何のために土地を買ったのか。転売するのか、貸すのか。それとも多用途に使うのか。保護者等から不安の声が広がり、反対署名活動が始まっている。当然である。

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  署名用紙

一般論としての保育の民営化については、行政改革(行政のスリム化)の一環として、私の前の澤田五十六市長時代に検討の俎上にのぼっていた。ほかに市民病院の民営化も。しかし、この議論は公設民営(運営のみを民間委託)が前提であった。

私は民営化そのものに反対の公約を掲げて2009年当選し、この論議を凍結した。

しかし、2013年に中平市政になってから、再び澤田路線が復活し、この6年間で、市民病院の給食部門、図書館(歴史資料管理を除く)の民間委託が行われ、その延長線が今回の問題となるのである。

今回「民設民営」ということは、施設も民間がつくることになるので、市は全面撤退するということである。

これまで乳幼児部門を除けば(民間乳児幼児院が3つある)、四万十市の保育は中村市時代から全面的に市がおこなってきた(幼稚園は民間1つある)。

かつて中村市は「保育王国」と言われたほどに市の看板であり、充実した保育がおこなわれてきた。その伝統はいまも引き継がれている。なのに、今回、市の責任放棄は、ついにここまできたのかという思いが強い。

市は「多様なサービス提供」など、理由をいろいろあげているが、要はコストを削減したいというのが唯一最大の狙いである。保育にカネをかけたくないということ。

厳しい財政運営のもと、無駄なコストの削減は必要と思うし、私も4年間、メリハリのきいた予算配分には心掛けてきたつもりだ。

重要なのは事業の優先順位であり、地域の将来を担う子供の保育への投資は最重要であろう。クチで子育て支援と言いながら、保育園コストを削減することは、自己矛盾。

例えば、いま移住促進を県市あげて推進しているのに、こんなことでは、若い夫婦は四万十市を敬遠するであろう。

今回問題が大きいのは、二つの保育園は市の中心部の拠点保育所であって、中でも愛育園(現在園児75人)は市内で一番歴史が古い保育所であり、市の保育行政のシンボルとなっているということ。この保育所が「廃止」され、「なくなる」ということである。

昨年、山間部にある川登保育所、本村保育所も入所者減少により廃止されたが、それとは意味合いがまったく違う。市の保育政策の根幹にかかわる問題なのである。

しかも、愛育園は、保育の分野だけでなく、四万十市おいて、忘れてはならない「歴史遺産」といえる施設でもある。

以下、その歴史について書いてみたい。(続く)

愛育園2   愛育園1
             愛育園


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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
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