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文子を追っかけ韓国日記(2)

2日目。
 
朝6時半曇り、聞慶行きのチャーターバスが出るという、郊外の集合場所に向かう。亀田さんと、タクシーで40分ほど。

あちらこちらから人が集まってくる。みなさん、や~久しぶりという感じで挨拶をしている。メインは国民文化研究所のメンバーのよう。

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金昌徳さんと2カ月ぶりに握手。元会長、かくしゃくとした93歳の李文昌(イブンチャン)さんほかとも名刺交換。総勢40人ほどか。女性も10人ほどいる。

うち日本人は、以前から交流を重ねている山梨県(牧丘町に母の生家があり、文子も幼いころ暮らす)の金子文子研究会4人+そのつながりで3人+われわれ3人=計10人(男女各5)だ。私ら夫婦以外は、それぞれ顔なじみの常連さんのよう。

バスに乗り込み8時ごろ出発。事務局らしき方がマイクをもってスケジュール等の説明をしているようだが、通訳がないのでわからない。そのうち、私も紹介されたので、頭を下げた。朝食用に、パンとペットボトルのお茶が配られる。

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通勤ラッシュで道が渋滞する中を割り込んでバスは進み、高速道路に入る。ガンガンスピードをあげる。

李文昌元会長がマイクをにぎり、文子の墓の歴史を話はじめる。文子の墓は山中の草に埋もれ、忘れられかけていたが、1973年、瀬戸内晴美が小説「余白の春」を書くため取材で墓を訪ねてきてから、これではいけないということになり、2003年、朴烈義士記念公園の造成に合わせて、現位置に移転をした。

ドキリとしたのは、通訳の高齢女性が何かを日本語で話している時、「天皇陛下」という言葉を繰り返した。すると突然、バス後方の男性がどなるような大声をあげた。

あとで聞くと、同行の男性新聞記者が「陛下」という表現は間違いだ指摘したのだそうだ。「陛下」とは「ぬかずく」という意味があり、韓国にとっては屈辱的な言葉なのだ。

通訳女性は20年間くらい日本で暮らしたことがあるというので、つい日本人感覚でそう言ってしまったのだ。言葉の意味も考えず、無感覚になっている私自身を指弾されたように思った。

所用時間2時間。慶尚北道、聞慶市は観光で有名な山の中の小さな市(人口7万人)。高速インターを降りて少し走ると追悼式会場に着いた。10時過ぎで約2時間。まわりはリンゴ畑がある山村だ。

朴烈が生まれたこの村に、朴烈義士記念館が2010年完成し、その敷地内の小高い丘に文子墓がある。朴烈生家跡も復元されている。

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墓前にはテントが張られ、100人ぐらい集まっていた。10時開式のところ、バスが少し遅れたので待ってくれていた。ただちに始まる。私も胸に黒い喪章をつけてもらい、2列目のイスを指定された。

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最初に、韓国国旗の前で国歌斉唱。主催団体の社団法人朴烈義士記念事業会・朴仁遠理事長(元市長)があいさつ。続いて、市長(代理・副市長)、議長、金子文子研究会代表(小澤隆一氏)。その後、順次菊の花を献花。私も紹介され、献花をした。

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墓所そのものは四角の石枠に土を盛り上げただけ。その前の祭壇はぬかずくように低い。果物が並べられている。韓国伝統様式で、無宗教のよう。僧侶のような人はいない。そばに墓石が建っているが、前に花輪が並んでいるため、よく見えない。

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式は30分ほどで終わり、われわれは記念館に歩いて移動。山のふもとに屹立する立派なものだ。途中に、朴烈記念碑もある(墓は北朝鮮)。

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記念館内の展示は、おおむね1F金子文子、2F朴烈。文子の位置づけの高さがわかる。

文子の展示は詳しい展示で、亀田さんも協力したという。これほどの展示は日本にはない。文子は日本よりも韓国で評価されている。監獄、裁判のもようの蝋細工もつくっている。

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展示の中に、幸徳秋水の写真と記述があったが、そう大きなスペースではなない。
時間がなく、昼食は急いでここでビビンバをいただく。ゆっくり展示を見れなかったことが心残り。

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市の中心部にバス移動。市立文化院(文化センター)ホールで、記念式に参加。
13時開会。冒頭、昨年11月、韓国政府から文子に贈られた独立有功メダルと証書を、文子遺族(母の兄の孫)が記念館に寄贈し、そのお礼に記念館から感謝牌を贈るという、交換セレモニー。日本側小澤代表と朴理事長が握手を交わしたところで、多くの報道陣のカメラが集中した。これがきょうの最大イベント。

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そのあと、突然美人が登場してマイクをもって話だした。唖然とした。映画で文子役を演じた女優チェヒソだ。途中目がウルウルになった。なんだろう。後で聞くと、映画に出た時は文子のことをあまり知らず、監督が言うがままに演じた。しかし、あとになって文子の偉大さがわかり、感動いているということだった。映画ではそう特別には思わなかったが、美人である。日本にはこんな美人女優はいない。

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チェヒソは、一般的な映画やテレビには出ないそうだ。インテリジェンスのある作品にしか。だから、だれもが知る女優ではないと。それがいいと思う。文子には、安っぽい演技はしてほしくない。

続いて、研究者4名による発表とシンポジウム。金進雄、金明燮、亀田博、金昌徳の各氏。亀田さんは日本語なのでわかったが、他3人は翻訳サポートが不十分だったので、ほとんど理解できず残念。

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報告の要旨は、映画だけでは文子はわからず、虚無主義ではない文子の真実に迫ってほしい。二人の活動は東京だけではなく、世界的視野で考えることが重要・・・などらしいが、発言資料が配られたので、これの日本語訳がほしいものだ。

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休憩後、小澤さんによる文子の歌(短歌)の朗読。

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次に、文子をたたえる市民コーラス。

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さらに、サンド(砂)アート。プロジェクターを使って、砂で人物や景色を描く。はじめてみたが、すばらしかった。日本でも、やる人はいるのだろうか。

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16時終了。

盛りだくさんの内容であったのに、一般市民らしき人の参加は少なかった。ホールも空席が目立った。聞くと、市としては特に動員はしていないので、よほど関心がないと足を運ばない。映画で急に有名になったとはいえ、田舎町の聞慶では、まだ知る人が少ない。ソウルからのバス参加者がいなければ、もっと寂しかっただろうとのこと。

しかし、翌日の新聞(韓国中央日報)には、記事が掲載されたとのこと。よかった。二人の名前がどんどん知られてほしい。

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ソウルのホテルのフロントの若い男性に、映画とチェヒソ、金子文子を知っているかと聞いたら、知らないとの返事。まだまだ、これが客観的な現実なのだろう。

またバスで移動。観光地のドライブインのようなレストランで、早い夕食。記念館の事務局長も参加してくれた。焼肉で乾杯交流。

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そのあとさらにバスで山の奥へ。リゾートホテルのような立派なホテル。チェックインしたあと、夕暮れ迫る中、みんなで緑とせせらぎに沿って散歩道を歩く。日本でいえば軽井沢か。

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古城跡があちこち。時代劇のロケをするスタジオも。日本で放送されている韓流時代劇でよく見るシーンもここで撮影されているとか。なるほど、そんな雰囲気だ。

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今朝も早かったので、クタクタに。2次会は遠慮をして、20時にはホテルに帰った。(続く)

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
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