FC2ブログ

四万十川メガソーラー計画の背景(3)

その後の動きと、新たな情報について書きたい。

9月20日、四万十市議会において、メガソーラー建設を許可しないことを求める「意見書」が賛成多数で採択された。

これは当然のことであると思っていたが、議員の態度は「採択」10人、「主旨採択」9人と僅差であった。「主旨採択」とは実質的には門前払いのことであり、「許可やむなし」とする市長の方針を支持するもの。

「意見書」は市長を拘束するものではないが、無視はできないだろう。一定の歯止めにはなるであろうが、安心、油断はできない。

私は、市長が「許可やむなし」とする背景には、地権者(中村生コン=豚座建設グループ)への「配慮」があると書いた。現に地権者が用地を貸さなければ本事業は即頓挫するのに、いまだそうなっていない。地権者は遊休原野を活用したいのだろう。

だが、もう一つ考えなければならないのは、本件への県の対応経過である。

四万十川条例は橋本大二郎知事時代の2001年、県が策定をしたもの。以降、許可権限はずっと県がもっていた。所管は、林業振興・環境部の中の環境共生課である。しかし、2015年度から県はその権限を市町村に移譲した。

本件業者が最初に計画をつくりアプローチしてきたのはいつか詳しくはわからないが、最初の段階では県が対応をしていたようだ。県は四万十川条例を盾に、クリアーすべき条件を示し、その時点では許可はむずかしいというような判断を伝えていた。

その後、市に権限を移し、2016年8月、最初の申し入れを不許可決定したさいは、市長からその旨を相手に伝えている。その際は、県から市に対して、不許可にすべきであるというようなプッシュ、応援があったという。

その後、2018年2月、2回目の申し込みのさいは、比較的簡単に相手が引き下がったようだ。

そして、同月27日公示で、県は四万十川条例の許可基準の中で、許可が必要な工作物に「太陽光発電施設」を加え、併せて、景観保全のために「遮蔽」を義務付けた。

問題は、この時点で業者と県でどのようなやりとりがあったのか、ということ。仮に「あとは遮蔽さえしてくれれば、大丈夫でしょう」というような言質を与えたのではないか、ということ。

というのも、今回、業者はこれまでの交渉経過を細かく記録しており、それを市に示し、求められた条件はすべてクリアーしたと、強気のようだ。

同行弁護士は、これで認められないなら、市に対して損害賠償を求める裁判をおこす、許可されることを前提に一定の設備を先行投資しているからだ、という。さらに、許可されれば配電で得たであろう20年間分の利益(得べかりし利益)を補填すべきだとも。

こうした要求に対し、市はギリギリの判断を求められている。

私は、先にも書いたように、遮蔽そのものは、実現不可能だと思う。しかし、それは書類上の審査だから、形式条件を満たしているとして、許可せざるをえない、と市は判断しているようだ。

やはり、問題は県が「遮蔽」を追加したさい、相手にどう言ったのかということだが、いまはその担当課長は異動していないそうだ。(また、市側の担当者も交代しており、双方の意思疎通がうまくいっていなかったともいえる。)

それと、いまさらながらではあるが、県はどうして許可権限を市町村に移譲してしまったのだろうか。四万十川流域は広域にまたがるのだから、1市町村で判断できない問題も多いだろうに。そもそも条例は県がつくったのだから、県が最後まで責任をもつべきとも言える。

そうした経過があるからだろう。今回、私が県の担当者に照会をしても、「市の判断ですから」とつれない。いかにも責任回避に走っているようで、疑念は増す。

このことはきょう(26日)から始まった県議会質問で、2人の議員(石井孝、吉良富彦)が県の姿勢を質した。

しかし、知事も部長も、「四万十川条例の趣旨に沿うような結果になるように市に助言をしています」、「業者には早く説明会を開き、住民の合意を得るよう要請している」、と他人事のような答弁で逃げているのがありあり。県の熱意が伝わってこない。実際は助言なんてしていない。市に丸投げしているのに。

これでは、国政転進のため11月でやめる尾﨑知事にとって、最後に負の遺産を残すことになるのではないか。知事は、そのことがわかっていない。

こんな県では、頼りにならない。

あとは、市がどう判断するかだ。訴訟はたぶん脅しだろうが、私は訴訟覚悟で不許可にすればいいと思う。訴訟になれば争えばいい。

世論は全員こちらの味方だからだ。遮蔽なんてできないことははっきりしている計画書は意味をなさない。裁判所だって、そんなことわかるだろう。

万万が一、敗訴してもカネで四万十川を守れるのなら、私も市民も世論も、納得する。四万十川の自然がなくなれば、いくらカネをはらったとしても戻ってこないのだから。四万十川にはそれだけの価値がある。

中平市長は、地権者への「配慮」ではないというのなら、そんな大所高所から決断すべきである。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
フェイスブック(FB)もしています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR