石巻市立 大川小学校

 東日本大震災から3年たった。

 私は、震災4か月後の2011年7月、被災地の視察に行った。岩手県陸前高田市から車で南へ下り、宮城県気仙沼市、南三陸町を経て、石巻市へ。どこも、流失、倒壊した家屋等のガレキの山で、目を覆う光景であった。陸前高田と南三陸では、町そのものが消えていた。

震災の犠牲者数(死者・行方不明)は1万8,524人。この数以外に、避難所等でのその後の関連死も多くある。県別では、宮城県、中でも石巻市が3,735人で最多。全校生徒の7割、84人(教職員含む)が犠牲になった大川小学校も、同市の北上川河口近くにあった。

視察で一番行きたかったところは、この石巻市の北上川下流域であった。同流域は四万十川と似た地形だと聞いたので、来るべき次の南海地震対策の参考になると考えたからだ。

南三陸町からリアス式海岸に沿って走ると石巻市に入る。追波湾というラッパ状の大きな入り江の奥が北上川である。河口は、海に向かってパックリ口を開け、津波を迎え入れる形になっていた。四万十川よりも、河口は広い。

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川の左岸から上流へ進む。すぐに支流があった。四万十川でいえば竹島川と同じ。ここらの堤防は決壊し、津波が奥深くまで流れ込み、家々を呑み込んでいた。

上流4キロのところに新北上川大橋(全長566メートル)があったが、津波によって橋げたの3分の1が流されていた。この橋の対岸(右岸)に大川小学校があった。四万十川でいえば、橋は竹島と実崎を結ぶ四万十大橋、小学校は八束小学校(私の母校)、八束保育園とそっくり同じ位置になる。

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 上流10キロの橋を右岸に渡ってから、下流に引き返した。この間の、川のゆったりした流れや景色は、下田、初崎から中村までの、四万十川とそっくりだ。右岸の堤防も決壊していた。四万十川でいえば、実崎から山路付近にあたる。実崎には私の実家がある。

大川小学校の前には、富士川という支流が注ぎ込んでいた。四万十の中筋川だ。北上川本流とこの支流の両方から、大きな波が大川小学校を呑み込んだ。すさまじい勢いで川を遡上する津波の映像がYouTubeで流れている。
http://www.youtube.com/watch?v=DW0dqWR4S7M   
 
付近の人に話を聞いた。過去のチリ地震などでは、ここらまでは津波が来なかった。だから、市の津波ハザードマップでもここらは浸水地域に指定されていなかった。すぐ裏には山があるのに、逃げる道や場所もつくっていなかった。避難訓練もしたことがなかった。津波が近づいて来てから、大慌てしたが、間に合わなかったという。大川小学校の生徒たちも、そうやって津波に呑み込まれた。がれき処理のブルドーザーが行き交う、学校前には、祭壇が飾られていた。

石巻市 大川小学校

過去の経験がわざわいした。河口から上流4キロのここらまでは、津波は来ないものという思い込みがあった。それだけ「想定外」の津波だったということだ。

今回の津波は上流50キロまで遡った。四万十なら江川崎あたり。堤防決壊による浸水は上流12キロまで。同じく、入田桜堤あたり、後川なら岩田あたりだ。

四万十市の海岸部は少ない。下田、名鹿ぐらい。本市にとってこわいのは、川を遡上してくる津波である。中村、具同、安並、古津賀あたりまで、強い波が押し寄せて来るものと想定しておかなければならない。

最悪シナリオでも、中村の街中や具同には、堤防があるので、津波の侵入はないが、東山地区の安並、古津賀あたりまではあぶないとみられている。下田、八束地区が一番の危険ゾーンである。

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 津波対策で重要なのは、すぐに逃げること。市では、避難場所と避難道を、いま急ピッチでつくっている。2012~14年の3年計画で、避難道150をつくる計画だ。避難タワーも、すでに4基できているが、さらに増設する。八束地区では、ゴルフ場近くに大規模な高台開発も計画している。あとは、日頃からの避難訓練。防災意識をしっかりもって、いざという時にすぐに動けるように準備しておくことだ。

 本市にとって、東日本大震災からの最大の教訓は、津波は川を遡上してくる、ということを、肝に銘じておくことである。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

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