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中村喜四郎

私はいま政治家中村喜四郎に注目している。元自民党衆議議員で、宮澤内閣で建設大臣を務めたが、いまは野党の立場に転じ、広田一と同じ無所属に会に所属している。

きっかけは、昨年11月行われた高知県知事選挙において、野党共同候補松本けんじの総決起集会に応援弁士として突然現れたこと。

私は中村喜四郎の名前は、かすかに覚えていた。1994年、ゼネコン汚職事件で逮捕された茨城県の旧田中派現職代議士として、当時大きく報道された。

しかし、25年も前のことであるから、その後すっかりその名前を忘れていた。すでに政界から消えてしまったものと思っていた。ダーティーなイメージを残したまま。

ところが、突然に私の前に現れた。まだ政治家を続けているのかと驚いた。そして、なぜこんな政治家が応援に来るのか、違和感があった。

しかし、決起集会での演説の迫力はすざましいものであった。いまの自民党批判をぶち上げた。いまの自民党は昔の自民党ではない。内部での自由な発言、議論は封じられてしまっている。野党が手を組んで、こんな自民党を倒さなければならないと。鬼気迫る熱弁であった。みんなが圧倒された。

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高知県知事選挙は、危機感を強めた自民党が菅官房長官を送り込むなど、組織を引き締めたこともあり、惜敗をした。しかし、松本けんじが応援のお礼に上京し、野党各党をまわったさい、中村の呼びかけで、各党幹部が集まり、慰労会を開いてくれた。いまや野党結集、反自民のキーマンは中村だというのが、もっぱらの評価になっているようだ。

そんな中、昨年末に、常井健一著「無敗の男 中村喜四郎全告白」(文藝春秋社)という新刊本が出版されたので、すぐにネットで買って、正月をはさんで読んだ。

本の腰巻には「25年の沈黙を破ってついにすべてを語った!」「ゼネコン汚職で逮捕されるが<完全黙秘>をつらぬき、検事をして<男の中の男>と言わしめた伝説の男。ムショ帰り後も当選を続け、今も現役の<選挙の鬼>」と、派手に書かれている。

本の中身は、選挙になぜ強いか、無所属でもなぜ自民党に勝てるのか、地元で鉄壁の後援会がなぜできたのか、ということがメインになっている。両親も国会議員で、父親の名前を襲名したこと、選挙区(茨城7区)の全有権者に隈なく足を運んでいることなど。

与党、野党を問わず、選挙で一番効果があるのは、政策うんぬんではなく、有権者とスキンシップを重なることであることがわかる。地道に足を動かし、汗を流すことである。

中村の生い立ち、家庭の内情、政治家としての立ち位置など、さまざまな角度から人物像をあぶりだしている。

中村は、逮捕から復帰後は無所属を通しているが、自民党会派に入っていた期間もあった。しかし、民主党政権を経て、自民党が政権を奪還して以降は完全無所属を通してきた。安保法案採決では退席、共謀罪法案には反対。いまは岡田克也らの無所属の会に所属。

自民党がおかしくなったのは、野党に力がなくなり、一強体制になったから。自民党に自浄作用がなくなったから。

この国もおかしくなった。国民が政治を避け、あきらめている。投票率も低下を続けている。安倍政権は、国民に政治をあきらめさせることに成功している。

だから、この国を救うには、強い野党をつくらなければならない。そのためには、
野党が結集をしなければならない。

「共産党だからダメとか、応援できないとか、そういう考えを持っていたから自民党の強い時代が今まで続いてしまったんだ。野党が強くなるためには、政策の話よりも選挙で党派を超えて戦うことなんです。野党は戦わないから忘れられる。戦ってなんぼの政党、野党共闘。戦わないから風頼みと言われてバカにされる。」

その通りだと思う。勝たなければ話にならない。
ますます、中村喜四郎に注目したい

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
フェイスブック(FB)もしています。

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