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古関裕而

作曲家古関裕而夫妻を主人公にしたNHK朝ドラ「エール」が始まったので、なるべく見るようにしている。以前から古関裕而に興味、関心があったから。

第一に、国民歌謡のシンボルと言われる古関は数々の名曲を残している。私の耳に染み付いているのは、「栄冠は君に輝く」「六甲おろし」「東京オリンピックマーチ」「NHKスポーツショー行進曲」など。

行進曲風で、かろやか、小気味がいい。自然に一緒に口ずさみ、足もあげたくなる。歌謡曲の「長崎の鐘」「高原列車は行く」「君の名は」などもいい。

第二に、私が農林中央金庫に勤務していたころ、同世代の同僚に古関の母校福島商業高校出身者が何人かおり、OBの中で有名人は古関だという話をなんどか聞いた。また、古関という姓は福島県に多いようで、同姓の先輩もいた。

第三に、古関は一方で、戦時中、戦意高揚、国民動員、鼓舞のための軍歌などもたくさんつくった。「愛国の花」「若鷲の歌(予科練の歌)」「暁に祈る」などは有名であり、勇ましい中に哀愁を帯びたメロデイーは日本人の心をつかみ、いまもカラオケなどでよく歌われている。

軍歌をいまも個人が歌うのはいいとしても、自衛隊音楽隊が歌う「愛国の花」がネットYouTubeで流れているのにはゾッとする。古関のふたつの顔には、不気味さを感じる。

古関が生きたのは1909~1989年。晩年は私の時代と重なるが、テレビなどで顔を見た記憶はない。曲で覚えている。

古関の曲は歌いやすいので、覚えやすい。だから、国民歌謡と言われるのだろうが、それだけに、人の心や感情をコントロールすることができるので、戦争などに利用されやすい。歌はおそろしい。歌は武器になる。

古関自身、敗戦直後は、自分の歌を聞いて勇んで戦地に赴き死んでいった若者たちにも申し訳ないという懺悔の思い、戦犯として拘束されるのではとの恐怖も、もったと言われている。

古関の立場にたてば、戦時中は国民すべてがだまされていたのだから、国から頼まれたら歌をつくるのがあたりまえで、何の悩みや躊躇もなかったのかもしれない。しかも、古関がつくったのは、詩ではなく曲である。

しかし、歌というものは詩と曲が一体のものである。詩だけでは人を動かすことはできない。古関は戦後も、自衛隊の歌をつくっている。

古関は、戦中戦後どんな思いで曲をつくり、折り合いをつけていたのか。NHKはそれをどう描くのか。そこに興味がある。

また、「エール」は本来、今年夏に開かれる予定であった東京オリンピックに向けた企画であった。

2回目の東京オリンピックは「復興五輪」の名のもとに宣伝されてきた。東日本大震災、福島原発事故からの「復興」を世界に示すことを「売り」にしていた。

安倍首相は「原発事故処理は完全にアンダーコントロールされている」と世界に大嘘をついた。聖火も福島県からスタートする予定であった。

ところが、コロナの影響で、この夏のオリンピックは1年延期になった。また、「エール」の製作もコロナ感染予防のため、いまは製作中断している。無事最後まで作れるのか。心配である。(それよりも来年のオリンピック自体も危ないと思う)

古関裕而は戦争のために利用された。いままた、福島出身ということでオリンピックのために利用されている。ともに国威発揚のために。

そんな、曰く因縁(いわくいんねん)がついたドラマの行く末に興味がある。

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
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