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政治と世界遺産(2)

私が当時心配したとおり、5年前に書いた「政治と世界遺産」(1)の続きを書かなければならない事態になった。

2015年7月、ユネスコは、すったもんだの末、「明治日本の産業革命遺産」を世界文化遺産に登録決定した。(1)では、問題であったその経緯を書いた。

→ http://hatanakamura.blog.fc2.com/blog-entry-163.html

問題とは、日本政府が自分勝手な歴史認識に基づいて、世界文化遺産登録を強引に進めたこと。「遺産」の中に含まれていた、軍艦島(端島炭鉱)や高島炭鉱では、強制連行による朝鮮人労働者を使っていたことは広く知られていたにもかかわらず、そのことには触れなかったこと。

つまり、日本の産業革命の「光り」の部分だけを取り上げ、「闇」の部分を隠していたことに、韓国、中国が反発をした。特に韓国は、登録反対を各国委員に働きかけたことから、日本の登録申請はユネスコ総会で否決されるかもしれないというギリギリの事態になっていた。

そこで、妥協案としてユネスコが、日本政府は「意思に反して連れてこられた、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者がいたこと」を認め、「犠牲者の記憶をとどめるため」の情報センターを設置することを求め、これを両国が認めたことで決着した。

ところが、あれから5年たってやっと日本政府がつくり、このほど公開された「産業遺産情報センター」(東京)には、「軍艦島(端島炭鉱)では朝鮮人差別は聞いたことがない」という島民の「証言」が展示された。

これに対し、韓国が反発。この展示は歴史的事実の歪曲であり、5年前に合意した約束に反するものであり、日本に約束を履行させることを求める文書をユネスコに送った。

日本政府は菅官房長官が記者会見し、「日本は今までもユネスコとの約束を誠実に履行してきたし、今も履行している。今回の展示は何ら問題がない。」と述べた。

両国の言い分のどちらに理があるか。

上記経緯をみれば、明らかであろう。韓国側の言い分の筋が通っている。日本は5年前の合意を履行していないことは、はっきりしている。

菅官房長官は、「誠実に履行している」とよくも言えたものだ。喉元過ぎれば熱さを忘れる、過去の約束は時間がたてば反故にしてもよい、という勝手な判断だろう。

この5年間、日韓間では、いろんなことがあった。従軍慰安婦・少女像問題、徴用工問題・・・

特に、徴用工問題では、韓国裁判所が当時の日本企業が補償をするように求め、企業の資産処分を認める判決を出した。

日本政府は、これに反発し、日本から韓国への半導体原材料輸出への優遇措置を撤廃した。今回の情報センター展示は、その延長線にある。日本の腹いせである。

さらに、直近では、アメリカトランプ大統領が言い出したG7参加国を拡大する提案(韓国、インド、ロシア、オーストラリア、ブラジルを加える)に対して、日本は韓国を加えることに反対である意向をアメリカに伝えた。理由は、いまの韓国の北朝鮮政策は融和的だからだという。

度量のない話で、なんとも情けない。こんなことに意地をつっぱるなんて、子供のようだ。世界に対して恥ずかしい。

大事なことは、歴史に真摯に向き合うことである。日本は1910年、韓国を併合したことは、まぎれもない事実である。

残念なのは、これらの問題で、マスコミの報道の突っ込みが浅いことである。両国の対立の表面的なことしか報道しない。結局、NHKを筆頭に、日本政府に忖度しているからである。

報道機関よ、しっかりしろと言いたい。

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
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