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「青のり」と「あおのり」

アオノリといえばかつては四万十川の代名詞であった。天然スジアオノリがたくさんとれた。アオノリ漁は、四万十川の冬の風物詩であった。

しかし、近年はトンと採れなくなった。主たる原因は水温が高くなったこと。地球温暖化で海水温が上がっているので、河口に近い汽水域に育つアオノリはその影響をもろに受ける。

さらに、四万十川では、2009年、河口の砂州が消失し、いまだ復元されていない。このために塩分濃度の高い海水が以前に比べて大量に川に流入し、生態系の微妙なバランスが崩れてしまった。このため、アオノリが採れるポイントが上流に移動し、狭くなってしまった。

私は2016年、この現状をこのブログに書いている。
→ http://hatanakamura.blog.fc2.com/blog-entry-236.html

かつては全国生産量の70%くらいを占めていた四万十川のアオノリは、そのトップシェアの地位を、徳島県吉野川河口の養殖アオノリに奪われてしまった。

しかし、最近は吉野川の養殖アオノリのほうも収穫量が激減している。そのため、市場に出る量が少なくなり、異常なほどの高値がついているそうだ。

アオノリはそのかぐわしい香りの良さから、ご飯、お好み焼き、焼きそばなどのふりかけに使われているが、生産がこれだけ減少すれば、ふりかけメーカーとしては原料確保がむずかしくなっている。そこで、あの手この手の対策を考えているようだ。

広島市にふりかけのトップメーカー三島食品がある。三島食品は、四万十川のアオノリを大量に買い付けしていたことで有名であった。いまは吉野川のその調達の主力を移しているが、それでも最近は十分な量が確保できなくなっているそうだ。

そこで、ついにアオノリの中での最も香が良いスジアオノリを入れた主力商品で青色でデザインしていた「青のり」(226円)の販売を休止した。

代替商品として品質が落ちるウスバアオノリとヒラアオノリを混ぜた商品「あおのり」を薄緑色にデザインをしたパック(同価格)に入れて販売を始めた。代替商品の包装裏には「三島食品の青のりファンのみなさまへ」という次のメッセージを書いるそうだ。

「 三島食品が 品質に自信をもってお届けしてきた すじ青のりを 伝統の青いパッケージで作る事ができなくなりました。国内産地での記録的な不漁が続いた為です。陸上養殖をふくめ原料確保につとめていますが、しばらく時間がかかりそうです。その間、今できる精一杯の青のりを準備しました。でも待っていてください。必ず帰ってきますから。 」

三島食品は2015年から高知県室戸市でスジアオノリの陸上養殖を始めているが、今年からは広島県福山市でも始めたそうだ。

そんな記事が地元中国新聞に書かれているのを見つけた。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6366081

アオノリの中でもスジアオノリが一番の高級品であるが、そのスジアオノリの中でも養殖ではなく天然ものが最高品である。それが採れるのが四万十川である。

四万十川のスジアオノリこそ、帰ってきてほしい。

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
フェイスブック(FB)もしています。

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