中村城と犬山城

 4月末、犬山城をはじめて訪ねた。
以前から一度行ってみたいと思っていたので、やっと念願がかなった。

理由は、中村の為松公園の一角にある幡多郷土資料館(通称・中村城)が犬山城をモデルにつくられているからだ。毎日眺める、うちの城の本家はどんな城なのか、本当に似ているのだろうか、とずっと思ってきた。

まず、撮ってきた写真をごらんいただきたい。上・犬山、下・中村。
たしかに似ている。それもそうだ、似せて設計したのだから。

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犬山城は、安土桃山時代初期、1537年、織田信康(信長の叔父)が築城。いまの天守閣は現存する日本の城では最古で、国宝に指定されている。天守閣の中には、石垣がむきだしになった箇所があり、古色蒼然とした雰囲気をかもしだしていた。

愛知県犬山市のその場所は、岐阜県(美濃)との境。木曽川を望む小高い山の上に城があった。中村の城が四万十川を望む山の上にあるのと似ている。

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 中村城の歴史は古い。応仁の乱を避けた京都の公家(五摂家)一條教房が下向して来て(1468年)、そのまま戦国大名として土着。この地の豪族(国人)の為松氏を家老に取り立て、つくらせたのが中村城のはじまりであり、別名・為松城とも言われている。

中村城の実像は、はっきりしない部分が多い。過去、発掘調査が行なわれ、石垣などが出てきた。5つの建物があって、それぞれ別の時代につくられたようであるが、中世の城であるから、いまあるような立派な天守閣などはなく、砦のようなものだったのだと思われる。

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昭和48年、二ノ丸跡に幡多郷土資料館が建てられた。この時、なぜ犬山城をモデルにしたのだろうか。私はそれを知りたいと思い、このほど当時の中村市長の長谷川賀彦さん(86歳)に聞いてみた。

資料館建設のきっかけは、地元の幡多信用金庫が地元のために役立ててほしいと、中村市にまとまった額の寄付をしてくれたこと。これをどう使うかの議論の中で、広く幡多を対象にした歴史資料館をつくることで議会の同意もえた。場所は為松公園、建物は城の形がいいということになり、三層の天守閣で有名な城といえば、犬山城だろうということになった。中村と犬山城とは歴史的なつながりはないので、それ以上の特別な理由はない・・・ということだった。

私は日頃から思っていることがある。
中村の町は、はたして城下町と言えるのだろうか?
中村は「小京都」を看板にしている。
京都を城下町という人はいない。

城下町の定義は何だろうか。
城が町の中心にあり、城やそれに関係する歴史がまちづくりのシンボルになっている町のことをいうのであろう。

京都には二条城はあるが、シンボルは何と言っても御所である。
同じように、中村にも中村城(為松城)はあるが、シンボルは中村御所である。土佐一條家は居館を御所とし、御所様と呼ばれた。城には家老の為松氏を住まわせた。

残念なのは、いま中村御所跡が残っていないこと。
いまの一條神社がある小森山周辺にあったとされているが、はっきりした遺構のようなものはない。わずかに化粧の井戸があるいるくらいだ。

だからであろう。
「中村音頭」の歌詞はこうなっている。

♪♪~土佐の中村 一條公さんは
都をしのぶ まちづくり
祇園 京町 丸の内
ふるさとよいとこ 中村よいまち 城下町

私はこの歌詞にずっと違和感をもっている。
一條公、都、祇園と、城下町は似合わない。

同じ発想で、当時、城の形をした郷土資料館ができたのであろう。
場所の問題はあるにしても、もし御所の形をした資料館ができていれば、まちのイメージもだいぶ変わっていただろうに・・・
城をつくるにしても犬山城のコピーでなく、せめてオリジナルのものができなかったのか。
城下町はそこらへんにゴマンとあるが、御所の町はめったにない。

観光戦略、まちのイメージづくりは、むずかしい。
いまは中村市ではなく四万十市になった。
だからではないだろうが、いまの市の観光イメージは四万十川一色に。

「清流に歴史と文化を映すまち」
市広報誌の表紙タイトルも、この5月号から消えてしまった。
残念である。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
四万十市在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。
幸徳秋水を顕彰する会事務局長。
FB(フェイスブック)もやっています。

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