次はTPPがのしかかる

消費税8%へ、引き上げが決まった。生活への負担が増す。
しかし、もっと大きな問題がある。次は、TPPだ。

国民各層から反対の声が多い中(四万十市議会も反対を決議)で、政府は交渉開始を表明したが、まだ正式参加が決まったわけではない。しかし、オリンピック騒動などで浮かれている間に、今月8日、インドネシア・バリ島で開く12カ国首脳会議で「大筋合意」になるらしい。

この間の交渉期間はわずか、あっという間だ。しかも、内容はベールの中。どうなっているのか。政府からの詳しい説明もない。あれだけの国民的議論は何だったというのだろうか。

大詰めの中、TPPの問題点を、あらためて指摘する本が緊急出版された。日本農業新聞取材班編集『TPP いのちの瀬戸際―壊国協定のベールを剥ぐ―』(創森社)

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日本農業新聞が、この間行なってきた「TPP反対 ふるさと危機キャンペーン」で寄せられた各界・各層からの幅広い意見(投稿、インタビューなど)を掲載したもの。
私も市長時代インタビューを受けた。
その内容を以下に紹介する。


                   暮らし映す清流失う

                                  四万十市長 田中 全
                                  日本農業新聞2012.8.24

 四万十川がなぜ「日本最後の清流」といわれるのか。それは水の美しさからだけではない。人々が川と共に暮らしてきた歴史と文化を、今もその清流に映すからだ。環太平洋連携協定(TPP)に参加をすれば、こうした豊かさは失われてしまう。

 四万十川は2009年、全国の河川で唯一、流域全体が重要文化的景観に指定された。文化的景観とは、自然に関わる暮らしの中で人がつくってきた風景だ。棚田や沈下橋、伝統漁法などがそれだ。

 四万十にはファンが多い。歴史や文化を持つ四万十の魅力に気付いてリピーター(再来訪者)となり、移住してくれている。市の情報提供や観光施設の優待が受けられる「四万十市ふるさと応援団」は2年半で1120人になり、ふるさと納税は1千万円を超えた。全国から人が集まり、自然体験や移住などに取り組む法人も立ち上がっている。
 市の人口は平成11年度、転居による増減が差し引き58人増となり、約10年ぶりにプラスに転じた。地域はこうした人々に支えられている。四万十の魅力が失われればどうなるのか。

川は放っておけば自然にきれいなまま残るものではない。流域に人が暮らし、山の木を切り、植え、田畑を耕し、水を管理することで保てる。四万十の魅力を形作り守っているのは第一次産業であり、暮らしている人々だ。
四万十にはこれといった特産がない。雨が降ると冠水しやすいため、水稲が中心だ。そんな中、生産者はユズなどを使った特産品づくりに取り組んだり、農家レストランを営んだりと、努力をしている。

 木炭が消え、1964年に木材輸入が自由化され、木を切らなくなった。TPPで農業が立ち行かなくなれば、追い打ちをかけることになる。市では、TPPに参加をした場合、米と畜産だけで12億3千万円ほど減ると試算している。ただ、農業は地域の暮らしや環境を守るものだ。数字では測れるものいではない。

 「里も栄えて街も栄える」。中村は、かつて四万十川流域の農林業の生産物が集まる典型的な商業の町として栄えた。それが戦後の国策で農林業が勢いを失うとともに衰退した。高齢化の進む地方が、農業が、PTTでとどめを刺されれば、次に寂れるのは都会だ。

 TPPはいろんなものを切り捨て、強いものがより強くなるだけのもの。政府には、自由競争で利益だけを追求するのではなく、地方の豊かさを認識してもらいたい。
                                               以上

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Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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