原発コストは高い

 29日、高知市夏季大学にでかけた。講座は、立命館大学・大島堅一教授「経済から考えるエネルギー転換の課題」。会場、かるぽーと。

 大島先生には著書『原発のコスト - エネルギー転換への視点』(岩波新書)がある。これまで、他のエネルギーと比べて安いといわれてきた原発の発電コストだが、はたしてそうか。原発を「経済」の視点から考えると、きわめて割高なものである、という話。

冒頭、先生は、高知県では過去に窪川原発を止めたことは「本当によかったですね」とエールがあり、会場から拍手がおこった。南海トラフ巨大地震の直撃を受ける場所に、もし原発がつくられていたとすればと思うと、ぞっとしますね・・・とも。

 原発は、これまで政府や電力会社などによって、さまざまな「神話」がつくられてきた。

1. 原発はすでに電気供給の約30%を占めており国民生活には不可欠???
 しかし、それは電気に限った話で、エネルギー供給全体でみれば、石油45%、石炭20%、ガス18%、原子力11%、である。

2. 資源のない日本にとって、原発は「準国産エネルギー」である???
 「経済」には「準」はありえない。国産か輸入かだ。原発の原料ウランはすべて輸入。しかも、ウランはいずれ枯渇する。

3. 原発は環境にやさしい、クリーンエネルギーだ???
 ひとたび事故がおこれば放射能をまき散らす。福島第一原発事故をみよ。福島では、3.21時点(事故10日後)では、仮に、ベント(空気抜き)ができず、4号機まで崩壊すれば、半径170キロ圏内「強制移住」、250キロ圏内「任意移住」を想定していた。都心まで220キロだから、関東はほぼ「全滅」であった。

 そしてきょうのメイン
4. 原発のコストは安い???
 それは「発電コスト」に限定した話であり、さまざまな「社会的費用」を含めれば高い。「社会的費用」には、①事故リスク対応、②政策(「もんじゅ」には、毎日5千万円注いでいる)、③立地対策、④技術開発、⑤追加的安全対策、などがある。

 福島では事故対策費用は増え続けている。損害賠償4.9、原状回復3.5、事故収束・廃止2.1、行政・復興0.4、計11.1。(単位・兆円)

 こうしたコストは誰が負担するかが問題であり、電力会社がみてくれればいいが、損害賠償費用にしても、車でいえば「自賠責」分だけ。東京電力は、シブル、ネギル、ウチキル。その他の費用は国がみている。ツケは国民にまわされる。つまり、原発は電力会社にとって「安い」が、国民にとっては「高い」もの。

 原発を止めれば電気料が高くなると宣伝されているが、こうした「社会的費用」から解放されるので、総体的な国民負担は軽くなる。

 さらに問題なのは、原発では、マイナス部分のツケを後世にまわすこと。原発の受益部分(電力をえる)はいまのわれわれ世代が受けるかもしれないが、そのゴミ(核廃棄物等)は、何万年先まで、地球の子々孫々まで、残すことになる。
 
大島先生はいま原発問題の「売れっ子」であり、各地の脱原発の集会でも話をされている。その日の口調は、おだやかに、ゆったりとされていた。市民大学という場であるからであろう。しかし、内容は刺激的であった。

残念だったのは、聞き手(受講生)が意外に少なかったこと。前日(開校初日)の小久保裕紀(元プロ野球)の話には760人集まったというが、この日はその半分もいたであろうか。

 九州電力川内原発の再稼働が事実上決まり、伊方も次の日程にもぼってくる。伊方からの距離は、高知県内では、四万十市、梼原町が最も近く50キロだが、高知市までは120キロ。高知市のみなさんは、ノンビリしすぎてはいませんか。よそ事ではありませんよ。慣らされる、諦めさせられる・・・これが一番怖い。

 講演終了後、大島先生に脱原発をめざす首長会議を代表してごあいさつをさせてもらった。先生は私の大学後輩(一橋)にあたる。首長会義主催で、9月6,7日、四万十市、高知市で「脱原発講演&対談」を予定していることを報告し、今後のご支援・ご協力をお願いした。

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プロフィール

Author:田中全(ぜん)
高知県四万十市(旧中村市)在住。
幡多と中村が自慢のおんちゃん。

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